大企業部長と中小企業部長の年収を詳しく調べました。
部長について解説します
部長とは?
部長とは企業内で業務を行う部と呼ばれるセクションの責任者で、一般的には企業は社長が1番上のポジションで次に、副社長がいて部長・課長・係長・平社員という順番になっています。
民間企業の部長は普通は取締役会の下のポジションで、社内の課やその他の下の組織をまとめる統括する役割があります。
また上場しているような大企業のなかにはさまざまな事業を行っている場合もあり、部の上にさらに事業部や本部などがある企業もあります。
部長職は会社内ではかなり上のポジションで、中でも会社が注力している事業部の部長職は、取締役や執行役員が兼務していることもあります。
また大企業の部長の下には普通は部長代理や副部長がいて、部長代理や副部長が部長の業務のサポートを行います。
さらに企業によっては本来の部長職とは別に部付部長(ぶつきぶちょう)が存在していますが、部付部長とは部の長として部下を統括する本来の部長職とは別に、同じ部長の職位ですが実質的にその部の長ではないポジションです。
逆に中小企業の中には部長の肩書きだけで、部下が数人で1番下のポジション場合もあります。
国家公務員と地方公務員の部長職は、同じ行政機関の部長職でもかなり異なります。
国家公務員の部長職は給与こそ局長級より少ないですが、局長などと共に省内の最高意志決定会議に出席できるポジションで、多くはキャリアで占められています。
部長の平均年収や給料はどのくらい?
職種別民間給与実態調査結果の概要調べでは、
事務系部長:685万円
技術系部長:700万円
となっておりました。
全産業の部長の平均年収や賞与・給与を算出してみたところ、
平均年収:1064万円
平均賞与:263万円
平均給与:66万円
部長の人口:約41万人
大企業の部長の人数:19万人
中小企業の部長の人数:22万人
となりました。
各年齢別部長の平均年収は下記となります。
年齢 | 給与12カ月 | 賞与 | 年収 |
平均 |
801.4万円 | 263.0万円 | 1064.3万円 |
~19歳 | - | - | - |
20~24歳 | - | - | - |
25~29歳 | 424.6万円 | 28.6万円 | 453.2万円 |
30~34歳 | 611.2万円 | 195.9万円 | 807.1万円 |
35~39歳 | 654.2万円 | 151.0万円 | 805.3万円 |
40~44歳 | 727.4万円 | 210.3万円 | 937.7万円 |
45~49歳 | 811.2万円 | 281.0万円 | 1092.2万円 |
50~54歳 | 846.0万円 | 294.8万円 | 1140.8万円 |
55~59歳 | 795.0万円 | 263.4万円 | 1058.4万円 |
60~64歳 | 737.9万円 | 189.8万円 | 927.7万円 |
65~69歳 | 885.2万円 | 136.5万円 | 1021.7万円 |
70歳~ | 643.9万円 | 152.8万円 | 796.8万円 |
大企業の部長の年収
従業員数1000人以上の会社を大企業と定義し、その部長の年収を賃金統計調査より算出してみました。
平均年収:1219万円
平均賞与:341万円
平均給与:73万円
となりました。
平均よりも150万ほど高い年収で給与も5万以上違う結果になりました。
年収も1000万円を超える形になっております。また大手企業になると30代後半で部長になった場合すでに1000万円を超える結果となりました。
大企業の部長の年齢別平均年収は下記となります。
年齢 | 給与(12カ月) | 賞与 | 年収 |
平均 | 878.6万円 | 341.3万円 | 1219.9万円 |
~19歳 | - | - | - |
20~24歳 | - | - | - |
25~29歳 | 457.6万円 | 9.1万円 | 466.7万円 |
30~34歳 | 729.0万円 | 225.5万円 | 954.5万円 |
35~39歳 | 832.1万円 | 228.8万円 | 1060.8万円 |
40~44歳 | 805.0万円 | 270.7万円 | 1075.7万円 |
45~49歳 | 876.1万円 | 368.8万円 | 1244.9万円 |
50~54歳 | 914.9万円 | 355.3万円 | 1270.2万円 |
55~59歳 | 872.4万円 | 345.6万円 | 1218.0万円 |
60~64歳 | 790.3万円 | 254.0万円 | 1044.4万円 |
65~69歳 | 1084.8万円 | 107.5万円 | 1192.3万円 |
70歳~ | 539.3万円 | 159.8万円 | 699.1万円 |
中小企業の部長の年収
従業員数1000人未満の会社を中小企業と定義し、その部長の年収を賃金統計調査より算出してみました。
平均年収:766万円
平均賞与:177万円
平均給与:49万円
となりました。
中小企業の部長では平均年収は1000万円に届かないという状況になりました。
各年齢別の部長の平均年収は下記となります。
年齢 | 給与(12カ月) | 賞与 | 年収 |
平均 | 589.3万円 | 177.3万円 | 766.6万円 |
~19歳 | - | - | - |
20~24歳 | 317.9万円 | 263.6万円 | 732.8万円 |
25~29歳 | 398.8万円 | 88.7万円 | 487.5万円 |
30~34歳 | 449.5万円 | 118.6万円 | 568.1万円 |
35~39歳 | 490.8万円 | 129.7万円 | 620.5万円 |
40~44歳 | 553.9万円 | 169.0万円 | 723.0万円 |
45~49歳 | 621.5万円 | 192.5万円 | 814.0万円 |
50~54歳 | 655.7万円 | 209.8万円 | 865.4万円 |
55~59歳 | 661.2万円 | 213.1万円 | 874.3万円 |
60~64歳 | 643.2万円 | 162.9万円 | 806.1万円 |
65~69歳 | 1263.7万円 | 121.0万円 | 1384.7万円 |
70歳~ | 1146.1万円 | 116.3万円 | 1262.4万円 |
有名企業の部長の年収(推定)
有名企業の部長の年収を独自に算出してみました。
伊藤忠商事:2,106万円
三菱商事:2,171万円
電通:1,853万円
博報堂:1542万円
JAL: 889万円
NTT:1273万円
トヨタ自動車:1,269万円
日産:1,180万円
神戸製鋼:920万円
村田製作所:1,092万円
講談社:2,000万円
テレビ朝日:2,093万円
東京ガス:1,012万円
有名どころの企業の部長の年収サンプルは上記結果となりました。
商社は圧倒的に年収が高いです。
部長に昇進できるのって新卒の何%?
最近では昇進意欲がある若者が増えてきたとも言われていますが、係長・課長・部長に昇進する確率を知り自分のキャリアプランを考えることも大事です。
では新卒で入社して何割が、部長に昇進できるのでしょうか?
もちろん企業によっても部長に昇進できる確率は違ってきますが、10%以下であることだけは間違いありません。
大卒であれば努力すれば係長や課長までにはなれますが、仮に45歳ぐらいまでに課長になってもその上の部長職に昇進できるのはごくごくわずかです。
一つには係長職や課長職と比べると部長職のポストが極端に少ないこともあり、逆に部長に昇進できなければリストラの対象になる可能性さえ秘めています。
リストラにはならないかもしれませんが銀行ではだいたい出向などに出されることが多いそうです。
さらに部長にはビジョンと意思決定が求められるので、会社も部長に会社の将来を託すくらいの覚悟が必要で、それだけの能力が求められる難しいポジションです。
部長に求められる能力
部長に求められる能力にもいくつかあると思いますが、アイシン精機はグループ・グローバルな視点でのビジョン・戦略を創造する力や、組織の枠を超えた牽引力を発揮し最大利益をもたらす決断と行動をする力と定義しています。
またサイバーエージェントが部長に求める能力は大きな成果を出す力で、直接指示しなくても組織を動かし成果を出すことで、ゴールを掲げてそれを正解にする能力や尊敬されていたり共感されていたりする状態をつくる人望力と定義しています。
さらに損保ジャパンが部長に求める能力は社員の意欲を引き出し、多様な人材を活かすメンターとしての能力や 揺るぎない判断基準に基づく全社最適の観点で判断を行う経営判断力や、時代の変化や要請を先取りし確固たる社会的使命に基づき会社としての筋道を示すビジョン構築力と定義しています。
髙島屋が部長に求める能力は特定ジャンルや職種の専門家として関連分野を含む広範で詳細な専門知識を有し、経営的な視点をもって極めて高度で複雑で困難な業務を遂行できる能力と定義しています。
またローソンが部長に求める能力はストレッチした目標に対して配下構成員を束ね、成果につなげていくリーダーシップや経営の視点で担当部門にかかわらず全社最適で業務遂行していく力と定義しています。
この他にもコクヨが部長に求める能力はグループ全体にインパクトを与えるビジョンや戦略構築力や、ビジョンや戦略の実現に向け最適かつ効果的な経営資源の配分を行うバランス感覚と定義しています。
このように各企業が部長に求める能力はビジョンと意思決定が求められ、課長時代の実務の遂行能力とか大きく異なるようです。
大企業中小企業部長の本音
住まい給付金を実際に借りた人に口コミを聞いてみました。
50代 業種:自動車部品メーカー 年収:1054万円
日本国内では部長職ですが今は中国と、東南アジアの統括部長として全体を管轄しています。
多くの自動車メーカーが海外に拠点を移しているので、自動車部品メーカーも海外での売り上げが増えています。
国内と違って海外では、何が起きて不思議ではなく、常に緊張した日が続きます。
50代 業種:金融関連 年収:1263万円
部長になって6年目ですが判断基準を間違うと、その期の会社の業績が悪化するだけでなく、会社が傾くことさえあります。
それだけに部長の立場での、意思決定の難しさを感じます。
また会社の業績が悪くなれば、優秀な人材が次々と辞めていきが会社全体の士気も損なわれます。
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平均年収.jp編集部
外資系出身者・職業紹介本原作者、FP資格保有者・専門ライター、キャリアコンサルタント・大手出版編集者などのメンバーが参画
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