弁理士は独立開業する方が高年収?勤務弁理士と開業弁理士の年収を比べてみた

弁理士年収まとめ

初年度年収 300万円
平均年収 600万円
ベテラン 1000万円
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アイミ

近年ビジネスのグローバル化や目覚ましい技術新歩によりにより知的財産の取り扱いがますます難しくなっています。そこで重要な役割を担うのが弁理士です。
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ミナミ

弁護士や司法書士などと同じ8士業のうちの一つです。収入も高いと話題です。
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マリン

今回は弁理士の仕事や年収を解説いたします。開業した方が高年収なのかも気になりますよね。ぜひ参考にしてください。

弁理士とは?どのような仕事をするのか?

弁理士は国家資格ですので、弁理士になるには国家試験に合格しなければなりません。
面白いことに弁護士という文系の資格と、技術関係の理系の資格を合わせたような資格で、ゲームで例えるなら弁理士は戦士と魔法使いを合わせた魔法剣士のような職業です。
ですので、二つのジョブをかなりのレベルまで上げないとなれませんので当然難しいです。
試験は難関で合格率は毎年7~8%と9割以上は失敗するという非常に狭き門になっています。
平均合格年齢が36歳ということから勉強のみではなく実務経験もあった方が受かりやすいと言え、かなり難しい試験であることが分かります。

弁理士白書(2013)によると日本全区の弁理士の数は約1万人で、その半数が30代後半から40代で、この10年の間に弁理士の平均年齢は51.6歳から49.1歳になり低年齢化が進んでいるようです。
女性の弁理士はまだまだ少なく全体の14%にとどまっています。
東京などの都会には数千人もの弁理士がいるのに対し、県にたった数人というところも珍しくなく地域による格差が大きいと言えるでしょう。

弁理士男女割合についての画像

弁理士の主な仕事は知的財産にまつわる様々な業務を行うことです。
知的財産は多岐にわたっていますが、主な4つを産業財産権と言い、特許・実用新案・意匠・商標が該当します。
その他にも著作権や種苗法の育成者権や半導体回路に関わる回路配置権などもあります。

何か独自のものを発明したりデザインしたりした場合、その権利は発明者に帰すのですが権利を守るためには特許や意匠、商標登録を特許庁に申請する必要があります。
登録しなければ、自分が考えたものであることが証明できない場合がありますので、そのまま真似されても文句が言えません。
これらの知的財産を発明者に変わって特許庁に申請してくれる上に、「特許登録をしたのに真似されてしまった」といったトラブルの際に弁護士とともに法廷に立つのも弁理士ですので、発明者の強い味方と言えます。

弁理士は弁理士の資格だけでも食べてはいけますが、その他にも知的財産管理技能士、AIPE 認定知的財産アナリストなど知的財産にまつわる資格や、弁護士、行政書士などの手続きにまつわる資格をとっておくと仕事の幅が広がります。

弁理士の年収はどのくらい?

狭き門をくぐった弁理士の年収は求人ボックス調べによると約600万円です。
日本のサラリーマンの平均年収は432万円(国税庁調べ)であることを見るとかなり年収はかなり高い職業ではないでしょうか?

経験があるかないかで年収は大きく変わり、未経験の初年度は300万円ほどであることも少なくありません。
求人では年収の幅が広いことが特徴的で、「300万~1000万」「400万~1200万」といった極端な数字の求人もごろごろありました。
経験や実力次第で1000万円は稼げてしまうと予想できますね。

弁理士の仕事は正社員ではなくパートタイムでの求人も多数ありますが、だいたい時給は1,500円ほど。
女性が出産などを機に正社員からパートタイムに働き方を変更することも珍しくないようです。
そのため、どの年齢でも男女の年収に70万~100万ほどの開きがあり、男性の平均年収の方が高い傾向があります。

男性だから年収が高いというわけではなく、同じ働きをした場合の年収の男女差はないようです。男性の育児参加の割合が増えるにつれ、平均年収の男女差は小さくなると思われます。
都道府県別ではかなり年収に違いがあります。
東京では平均年収1000万円越えなのに対して青森、秋田、佐賀、宮崎、沖縄では平均年収は608万円となっておりその差は400万円!月収でも30万円ほどの差があるということです。

これは物価の差も当然ありますが、絶対的な仕事の件数が少ないことによるものでしょう。
県に弁理士の数が数人であることからも知的財産にまつわる仕事は都心部に集中していることが分かります。
ただこれからはますますオンライン上で仕事が完結する時代です。
地方に住んでいても海外の仕事をこなすなど、高収入を得やすい時代はすぐそこまで来ているのかもしれません。

ステージ 年収/時給
初年度 300万円
平均年収 600万円
ベテラン 1000万円以上
パートタイム時給 1500円~

弁理士は自分で開業した方が稼げる?勤務弁理士と比較してみた

一口に弁理士といってもその働き方は様々です。弁理士白書(2013)によると、特許事務所に勤務している人が全体の29%、特許事務所を経営している人が24%、企業に勤務している人は21%と、その割合は大差がありません。
「弁理士ならこの働き方が絶対おすすめ」と偏った意見を言えないのが現状です。

勤務弁理士(一般企業)

一般企業に就職した場合、特許部門や知財部門で働くことになるでしょう。
企業の知的財産を守る重要な仕事ですが資格手当は月に2万円~10万円といったところ。
平均年収は500万円から700万円ほどで、企業の規模にもよりますが大手企業のサラリーマンと同じぐらいの年収です。
年収は安定していますが、跳ね上がることはありません。

勤務弁理士(特許事務所)

特許専門の事務所で勤務する働き方は弁理士の中では最も一般的です。
のちに開業しようとしている人もまずは特許事務所で働く人も多いようです。
特許事務所では手続きの30%~40%が収入になると言われています。
経験の浅いうちは、一般企業のサラリーマンより年収が少ないこともありますが、経験と知識を積んでいくと年収は確実にあがります。

特許事務所で働く弁理士の平均年収は700万円~1000万円で、頑張り次第で十分年収1000万円を狙うことができます。

開業弁理士

自分で開業するので収入の保証はありませんが、頑張りや能力次第で2000万円以上、最高で3000万円の収入を得ることが可能です。
様々な案件を取り扱うために専門分野に強くなる、営業力をつける、スピードアップして仕事量をこなすなどかなりの努力が必要になります。

例えば特許出願一件で25万円~30万円の収入です。
単価の高い案件を次々とこなしていけば年収は跳ね上がりますので、開業弁理士の平均年収は1000万円と言われています。
勤務弁理士より高収入ですね。

ただ、事務所を構えて待っているだけで仕事が舞い込んでくる時代は終わりました。
海外からの依頼も受けるなど、創意工夫をしていく必要があります。人手が足りなければ人を雇う、業務の一部を委託するなども行うので経費と収入のバランスも考えなくてはいけません。

そうは言っても開業弁理士が仮にうまくいかなくてもまた勤務弁理士として働くこともできるので、自信がある人は高収入やワークライフバランスのために開業にチャレンジしてみるのもいいでしょう。

弁理士勤務割合についての画像

まとめ

弁理士は仕事の多様化により、ますます需要が高くなると思われます。知的財産の強い味方である弁理士の重要性、必要性を考えると高収入も納得ですよね。
勤務弁理士でも十分高収入ですが、開業弁理士として活躍すればその年収は倍以上です。
せっかく厳しい試験をパスしたのだからとことん高年収を狙ってみたい気もしますよね。

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マリン

今回は8士業の一つである弁理士の年収を解説いたしました。参考になれば幸いです。
執筆・監修者 平均年収.jp 編集チーム
平均年収.jp編集部

外資系出身者・職業紹介本原作者、FP資格保有者・専門ライター、キャリアコンサルタント・大手出版編集者などのメンバーが参画
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