【2021年版】年収1000万円に到達できるか?50代の平均年収の解説と最高年収到達のタイミング
50代の平均年収まとめ
平均年収 | 544.5万円前後 |
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最高年収 | 0.1%が年収2,450万円以上 |
大卒平均年収 | 651.2万円前後 |
アイミ
この年代になると懐かしい同僚たちとお酒を酌み交わしながらこれまでの様々な思いで話に花が咲くことでしょう。
そして定年を迎えるまでに所属している会社に最後の奉公を、という気持ちになる一方で、同年代の人たちは一体いくら貰っているのかも正直気になることと思います。
今回はそんな50代の平均年収の実態を詳細に解説いたします。
始めに参考のために世の中の平均年収を以下の表にまとめておきましたので参考にしてください。
日本の正社員全体の平均年収は544.5万円でした。
正社員の平均年収
属性 | 男性 | 女性 | 全体 |
正社員 | 544.5 | 405.0 | 499.9 |
非正規平均 | 311.8 | 242.9 | 276.3 |
大学・大学院卒正社員 | 651.2 | 465.7 | 603.0 |
高専・短大卒正社員 | 494.5 | 414.2 | 449.2 |
高卒正社員 | 462.4 | 341.9 | 430.1 |
中卒正社員 | 396.9 | 296.3 | 379.3 |
50代の年齢ごとの年収
下に厚生労働省の2019年度の賃金構造基本統計調査結果に基づいて平均年収.JPが独自に算出した50代の各年齢における平均年収を示します。
この中には正社員、非正規社員の男性、女性ごとの平均年収のデータも載っています。
50代の正社員及び非正規社員男性及び女性の年齢ごとの平均年収
年齢(歳) | 男性正社員(万円) | 女性正社員(万円) | 正社員全体(万円) | 男性非正規(万円) | 女性非正規(万円) | 非正規全体(万円) |
50 | 661 | 464 | 605 | 310 | 245 | 267 |
51 | 677 | 467 | 616 | 309 | 245 | 267 |
52 | 688 | 470 | 625 | 308 | 245 | 266 |
53 | 694 | 471 | 631 | 308 | 244 | 266 |
54 | 700 | 470 | 635 | 307 | 243 | 264 |
55 | 702 | 468 | 638 | 306 | 241 | 262 |
56 | 700 | 466 | 637 | 306 | 241 | 262 |
57 | 693 | 460 | 630 | 309 | 240 | 265 |
58 | 675 | 453 | 614 | 315 | 241 | 272 |
59 | 645 | 441 | 590 | 330 | 244 | 286 |
このデータを見やすいようにグラフにしてみました。グラフを見てみると、正社員と非正規社員で曲線が大きく異なっていることが分かります。
正社員は男性と女性共に55歳前後で明確な年収のピークが見られています。
一方の非正規社員は30歳位から年収の伸びが止まっており、以降はほぼ上昇せずにフラットな形状になっていることが分かります。
つまり、年収においては正社員か非正規社員かが大きく影響していることが明らに見られます。
男性非正規社員においては60歳を超えた時点で急激に伸びていますが、これは定年後の再雇用が考えられます。
正社員及び非正規社員男性及び女性の年齢ごとの平均年収
50歳から59歳までを抜き出したものが以下のグラフになります。
男性正社員の年収ピークは55歳、女性の年収ピークは少し早く54歳で迎えることになります。
一方の非正規社員は男性、女性ともに年収はほとんど変化していないことが分かります。
非正規社員にとっては厳しい現実が垣間見えています。
50代正社員及び非正規社員男性及び女性の年齢ごとの平均年収
50代男性正社員の学歴ごとの平均年収
以下に男性正社員の学歴ごとの年収のグラフを示します。
どの学歴も55歳過ぎに年収のピークがあることが分かります。
大学・大学院卒の年収は他の学歴に大きく差を開いており、全年代を通して高くなっています。
学歴が高くなるにつれて年収も高くなるという傾向も見られますが、高専・短大卒、高卒、中卒に関しては20歳から40歳手前までは年収はほとんど変わっていません。
40歳を過ぎたころから徐々に差が開いていることが分かります。
50歳から59歳までの期間をグラフ化しました。
どの学歴も上昇傾向からピークを迎え、下降傾向に変化していることが分かります。
この55歳付近が会社で働く大勢の人にとっての年収のピークであり、人生で最高の収入となっています。
50代女性正社員の学歴ごとの平均年収
女性正社員の年収を学歴ごとにグラフにしました。
男性正社員と比較すると全般的に低いのですが、男性よりも学歴ごとに間が空いていることが分かります。
50歳から59歳までの期間をグラフにしたところ、男性と同様に女性もこの期間内で年収のピークが見られていることから、女性正社員も55歳付近が人生で最高収入になることが分かります。
企業規模による50代の平均年収
以下に企業規模ごとの50代前半(50歳、51歳、52歳、53歳、54歳)及び30代後半(55歳、56歳、57歳、58歳、59歳)の企業規模別の学歴ごとの年収を示します。
企業規模は業種により定義は異なりますが、厚生労働省では例えば製造業や建設業では資本金3億円以下もしくは従業員300人以下が中企業で、資本金に係わらず従業員20人以下が小企業とされています。
企業規模ごとの平均年収:50歳、51歳、52歳、53歳、54歳と平均月収
学歴 | 平均値 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
全体の平均 | 628.2 | 793.8 | 581.5 | 453.3 |
大学・大学院卒 | 858.0 | 981.6 | 771.2 | 600.5 |
高専・短大卒 | 548.1 | 643.0 | 533.3 | 459.4 |
高卒 | 505.1 | 633.5 | 482.3 | 412.4 |
中卒 | 427.8 | 545.4 | 412.8 | 390.5 |
全体の平均年収は628.2万円で平均月収は52.3万円になります。
企業規模ごとの平均年収:55歳、56歳、57歳、58歳、59歳と平均月収
学歴 | 平均値 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
全体の平均 | 622.4 | 784.0 | 591.4 | 455.6 |
大学・大学院卒 | 847.7 | 968.5 | 797.0 | 619.2 |
高専・短大卒 | 545.0 | 666.2 | 526.2 | 455.1 |
高卒 | 513.5 | 652.9 | 487.8 | 407.4 |
中卒 | 440.0 | 540.6 | 433.1 | 399.7 |
全体の平均年収は622.4万円で平均月収は51.9万円になります。
以下に見やすいようにグラフにまとめました。
50代前半のグラフですが、大学・大学院卒の大企業の年収が飛びぬけて高く、中企業、小企業と続きます。
大学・大学院卒の小企業の年収は高専・短大卒及び高卒の大企業の年収よりも低くなっています。
つまり、高卒でも大企業に就職できれば一部の大卒よりも高年収が得られます。
企業規模ごとの平均年収:50歳、51歳、52歳、53歳、54歳
50代後半は50代前半と年収はほとんど変わっていません。
これは55歳付近に年収のピークを持っているために、このピーク以降で年収が下がっているためです。
これはピーク前後で対称的な結果であり、50代前半の年収は上昇傾向ですが50代後半は下降の傾向を見せています。
企業規模ごとの平均年収:55歳、56歳、57歳、58歳、59歳
50代の年収の分布
50代以上の正社員の年収の分布を示します。こちらは転職サイトのdoda様のデータになります。
これまで示した厚生労働省の賃金構造基本統計調査結果よりも少々高い年収となっていますが、転職サイトを利用して転職を希望する方たちの年収ですので、高収入の方が多いことがその原因であると思われます。中央値561万円となっています。
(中央値は300万円未満を200~300万円と、1,000万円以上を1,000~1,100万円として積分値から概算しました。)
50代以上ですと、13.4%が年収1,000万円の大台を超えています。
1,000万円以下の年収でもそれなりの割合となっており、一方で、年収300万円未満は9.7%と非常に少なくなっています。
全般的に高収入であることが分かります。
いつ定年を迎えるの?
50代と言えば少し前までは会社人生最後となる年代でした。
しかし、2013年の法改正により希望者は65歳まで働けるようになりましたので、今では60歳を超えて働き続ける人もおられます。
一方で、専務などの取締役の役職に就けば定年は会社ごとに異なり、定年が定められていない会社もあります。
このために65歳を超えても役員として会社に残り続けている方もいますので、60歳を超えてもまだまだ働きたい方はバリバリと働くことが出来るようになっています。
つまり、60歳で働く意思がなければその時点で定年を迎えますが、働く意思があれば65歳まで働くことになります。
取締役などの役職があれば会社によっては65歳を超えても会社が定める定年の年齢まで働き続けることができます。
東京の平均年収が断トツで最も高い
都道府県ごとの平均年収を調査してみたところ、784万円と断トツで東京が高い結果になりました。
最も低かった場所は青森県で458万円でした。
都道府県 | 平均年収(万円) | 男性(万円) | 女性(万円) |
北海道 | 528 | 591 | 424 |
青森 | 458 | 524 | 375 |
岩手 | 473 | 528 | 384 |
宮城 | 574 | 642 | 438 |
秋田 | 476 | 532 | 395 |
山形 | 492 | 551 | 399 |
福島 | 528 | 597 | 410 |
茨城 | 622 | 700 | 456 |
栃木 | 609 | 675 | 458 |
群馬 | 586 | 660 | 442 |
埼玉 | 602 | 671 | 469 |
千葉 | 619 | 689 | 502 |
東京 | 784 | 872 | 605 |
神奈川 | 677 | 752 | 518 |
新潟 | 516 | 570 | 414 |
富山 | 545 | 607 | 430 |
石川 | 567 | 634 | 445 |
福井 | 556 | 634 | 434 |
山梨 | 582 | 661 | 440 |
長野 | 562 | 629 | 434 |
岐阜 | 569 | 635 | 435 |
静岡 | 607 | 684 | 444 |
愛知 | 687 | 761 | 505 |
三重 | 625 | 702 | 465 |
滋賀 | 616 | 688 | 456 |
京都 | 635 | 719 | 506 |
大阪 | 673 | 751 | 524 |
兵庫 | 613 | 681 | 482 |
奈良 | 598 | 670 | 492 |
和歌山 | 577 | 647 | 457 |
鳥取 | 505 | 558 | 427 |
島根 | 514 | 575 | 412 |
岡山 | 550 | 622 | 426 |
広島 | 619 | 690 | 475 |
山口 | 567 | 631 | 454 |
徳島 | 561 | 632 | 437 |
香川 | 562 | 626 | 450 |
愛媛 | 528 | 607 | 402 |
高知 | 502 | 564 | 427 |
福岡 | 573 | 657 | 443 |
佐賀 | 498 | 573 | 390 |
長崎 | 515 | 589 | 409 |
熊本 | 511 | 578 | 414 |
大分 | 525 | 583 | 419 |
宮崎 | 466 | 529 | 385 |
鹿児島 | 488 | 557 | 394 |
沖縄 | 466 | 516 | 405 |
まとめ
50代の平均年収ですが、学歴と企業、そして地域に強く依存しており、大卒、大企業、東京と揃うと高年収になる可能性が非常に高くなります。
一方で、中卒ですと年収は企業規模にはあまり関係なくなります。
中国の五行説に即して若いころを青春、壮年期を朱夏、中年期を白秋、晩年期を玄冬と季節と色とで表していますが、現代では50代は白秋に相当するでしょうか。
昔は平均寿命が短く、明治時代で平均寿命は50歳以下で40歳ちょっとでしたし、寿命が短かったので定年は今よりも早く1980年代までは55歳でした。
文明化に伴い栄養状態や衛生状態が改善するとともに抗生物質など非常に効果の高い薬が開発され、結核などの不治の病が治癒する時代が到来し、新生児の死亡率も低下したために平均寿命はどんどんと伸びていきました。
現代では平均寿命は80歳を超え、数十年後には100歳を超えるとまで言われています。
この平均寿命の伸びに伴い、定年は60歳になり現在では実質65歳となっています。
一昔前の還暦と言えばかなりの老人となっていましたが、現代では健康寿命が伸びていて健康な人が多く、還暦と言えばまだ若いという認識で仕事もバリバリ出来る人も多いです。
実際に定年後に独立開業する方も割と多いですし、60代になってもまだまだ仕事をするチャンスがありますので、健康である限りは年齢の上限なく仕事を続けていけることもできます。