社労士(社会保険労務士)の平均年収・年齢別年収推移

社労士の年収(社会保険労務士)に興味がある方のための基礎知識

社労士の年収

社労士(社会保険労務士)年収まとめ

平均年収 474万円
※令和元年度賃金構造基本統計より
男性社労士の平均年収 515万円
女性社労士の平均年収 年収433.8万円
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アイミ

社労士って労務関連に強い侍ってイメージがつよいですよね。資格合格率も7%と難しい資格の一つです。
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ミナミ

平均年収については、厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」が参考になるほか、民間企業でも平均年収を公表していることがあります。
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マリン

求人サイトからの統計や民間資格サイトの統計、政府の出している統計などを駆使し独自に算出してみました。
執筆監修者 涌井好文
社会保険労務士  涌井社会保険労務士事務所代表

平成26年に神奈川県で社会保険労務士として開業。
開業以降地域における企業の人事労務アドバイザーとして活動し、関与先企業社員のキャリア相談なども行う。た、近時は記事執筆や監修といったWeb上での活動も精力的に行っている。
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社会保険労務士(社労士)の平均年収の現実と本音

社労士の平均年収について見ていきましょう。
平均年収については、厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」が参考になるほか、民間企業でも平均年収を公表していることがあります。
ここからは、信頼できる機関が公表している社労士の平均年収をご紹介します。

賃金構造基本統計調査による社会保険労務士(社労士)の平均年収

厚生労働省はさまざまな業種の賃金に関する調査の結果を「賃金構造基本統計調査」で公表しています。
この調査結果によれば、 令和元年度の社労士の平均年収は474万円です。 ちなみに国税庁によれば、同年の日本人の平均年収は436万円ですので、社労士の平均年収は日本人の平均を上回っています。

民間企業公表の調査による社会保険労務士(社労士)の平均年収

就活サイトや資格サイトによれば、社労士の平均年収は419万円となっています。
「賃金構造基本統計調査」で公表されている474万円と大きく開きはありません。
ただし、ボリュームゾーンは284〜352万円となっているので、一部の高所得の社労士が平均年収を上げていると予想されます。
また、社労士は正社員、アルバイト、派遣社員といったさまざまな雇用形態があります。
雇用形態によって平均年収は異なります。
先程の就活サイトによれば、正社員の平均年収は419万円ですが、アルバイトの平均時給は987円、派遣社員の平均時給は1460円となっています。

求人による社会保険労務士(社労士)の平均年収統計

社労士を募集している求人をみて、年収の水準を確認しましょう。

求人1(新卒を含む社会保険労務士試験合格者):年収350万円~720万円
求人2(入社4年目):年収650万円
求人3(業務未経験者を含む社会保険労務士試験合格者):月収21万円~30万円
求人4(入社5年目):年収480万円
求人5(年金事務所の相談員):日額14,644円
求人を募集しているのはほとんどが社労士事務所です。
社労士事務所や経験年数にもよりますが、350万円から500万円程度が社労士の平均年収といえます。
地方自治体の年金事務所で相談員を募集していることもありますが、こちらは日額制を採用しており、フルタイムではないので、給与水準が低いようです。

社会保険労務士(社労士)の男女別年収差

国税庁によれば、国民の平均年収は461万円ですが、男女別では男性が567万円、女性が280万円と男女で賃金格差があります。
全国社会保険労務士会連合会が公表している社会保険労務士白書によれば、社労士の男女比は男性:女性=7:3です。
多くの女性が社労士として活躍していることがわかりますが、男女の賃金格差はあるのでしょうか。

社会保険労務士(社労士)の男性の平均年収

国税庁によれば、令和元年度における男性社会保険労務士の平均年収は515万円となっており、男性の平均年収を上回っています。

社会保険労務士(社労士)の女性の平均年収<

男性同様に社労士の女性の平均年収についても統計データは公表されていません。
しかし、国民全体では約1.8倍(540万円÷296万円)の男女の賃金格差があります。 一方で女性社労士の平均年収は434万円であるため、国民全体と比べれば男女差は少なくなっています。

雇われ社会保険労務士(社労士)の社会保険労務士(社労士)の1年目5年目10年目の年収

雇われ社労士、つまり社労士事務所で正社員として働いている社労士の平均年収について、経験年数による推移を見ていきましょう。
厚生労働省やその他の公的機関は社労士の年齢別、経験年数別の平均年収を公表していません。
したがって、国税庁の統計データを基に社労士の経験年数別の平均年収を推定しましょう。

1年目の平均年収

大学をストレートで卒業した場合の社会人1年目の年齢は22歳です。
学生時代に社労士の資格を取得する方もたくさんいるので、社労士の資格を取得して、大学を卒業後に社労士事務所に採用されたと仮定しましょう。
国税庁は年齢階層別の平均給与を公表しています。
これによれば、20〜24歳の平均年収は264万円です。
すべての年齢の平均年収は474万円ですので、この年齢層の平均年収は全体の約60%です。
この割合を社労士の平均年収に当てはめてみましょう。

474万円×60%=284万円となります。
したがって、社労士の1年目の平均年収は200〜300万円程度と予想されます。

5年目の平均年収

社会人5年目の年齢は27歳となります。
したがって、社労士5年目の年齢も同様に27歳程度と仮定しましょう。
先程の国税庁の統計データによれば、25〜29歳の平均年収は369万円です。
すべての年齢の平均年収の約80%の水準です。
この割合を社労士の平均年収に当てはめると、474万円×80%=379万円となります。
したがって、社労士5年目の平均年収は300~400万円程度と予想されます。

10年目の平均年収

すべての年齢の平均年収の約97%です。
この割合を社労士の平均年収に当てはめてみましょう。
474万円×94%=446万円となります。
したがって、経験年数10年、32歳の社労士の平均年収は350万円~450万円程度と予想されます。

雇われ社労士の年齢別年収

年齢 平均年収 給与
20~24歳 270万円 17万円
25~29歳 337万円 21万円
30~34歳 370万円 23万円
35~39歳 422万円 26万円
40~44歳 474万円 30万円
45~49歳 531万円 33万円
50~54歳 569万円 36万円
55~59歳 564万円 35万円
60~65歳 384万円 24万円

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ヨシコ

平均年収と国税庁の年齢別階層年収、独自に集計している年収査定の結果を総合して算出した算出した結果になっております。

開業社会保険労務士(社労士)の年収レンジ

開業社会保険労務士(社労士)とは、社労士事務所に所属しない社労士、つまり独立開業した個人事業主をしている社労士を指します。
社労士を含めた士業は自由度が高く、必ずしも社労士事務所に所属する必要がありません。
社労士資格を取得すると開業することができます。
ただし、他の個人事業主と同様に社労士事務所に所属しない社労士は固定給がないので、売上は個人のスキルや知名度に依存します。
高年収を稼ぐ社労士もいれば、平均年収を大きく下回る社労士もいます。
残念ながら、開業社会保険労務士(社労士)の年収について公表している公的機関や民間企業はありませんが社労士専用サイトによると開業2年目で500~600万円になる統計が多いということでした。
また資格サイトによれば、開業社会保険労務士(社労士)の年収は300万円から1,000万円がレンジになるようです。
固定客の有無や経験年数、開業した地域によって平均年収は変動します。

開業社会保険労務士(社労士)が年収を上げる方法

開業社会保険労務士(社労士)の場合、社労士事務所が顧客を連れてきてくれるわけではないので、個人の営業努力で集客する必要があります。
インターネット上のマッチングサービスやクラウドソーシングサービスなどで社労士を探している人に営業をかける必要があります。
営業スキルが重要になるので、社労士以外にも営業経験があると個人事業主として成功して、年収を上げることができます。
また、担える業務の幅を広げることも年収を上げるために効果的な方法です。
社労士の業務には1号〜3号業務があります。

1号業務:労働社会保険関係法令に基づく書類の作成や申請代理業務
2号業務:労働社会保険関係法令に基づく帳簿書類作成
3号業務:労務管理や社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導をすること
上記のうち労務管理関連のコンサルティング業務である3号業務は採用や人材育成、業務改善など幅広い業務となります。
3号業務を行うことで高い報酬を得ることができます。 報酬額についてはいろいろな社労士事務所などが出しているので参考にいろいろと抜粋してみました。

業務 報酬額(参考例)
就業規則の作成 150,000円~
就業規則の変更 30,000円~
諸規程の作成 50,000円~
諸規程の変更 30,000円~
顧問 18,000円(月)~
入社手続き 5,000円
新規適用 25,000円
調査への立会 50,000円
コンサルティング 300,000円

社会保険労務士職場別ランキング

ランキング 社会保険労務士の職場 推定年収
1位 開業社労士 600万円~
2位 社労士講師 450万円~
3位 社労士法人 400万円~
4位 年金事務所社労士 350万円~

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士はどちらが年収が高いのか?

社労士の平均年収は約474万円です。
一般社団法人中小企業診断士協会(J-SMECA)によれば、中小企業診断士の平均年収は739万円となっています。
したがって、平均年収では中小企業診断士の方が多いようです。
しかし、社労士や中小企業診断士は事務所への所属の有無や経験年数、専門分野によって収入が上下するので、稼いでいる社労士もいます。

社会保険労務士(社労士)と合わせてとっておくべき資格

全国社会保険労務士会連合会が公表している社会保険労務士白書によれば、全国の社会保険労務士の登録者数は約4万人です。
これだけたくさんの社労士がいると業界での競争は激しく、他の社労士と差別化を図ることが大切になります。
社労士の資格に加えて、他の資格を取得することでダブルライセンスになります。
取得する資格が社労士と補完的な関係にあることが転職活動においてアピールポイントになります。
また、関連資格を多数保有している社労士は信頼と実績をアピールすることができ、集客の上でも役に立つでしょう。
このように社労士の資格と合わせて他の資格を保有していると給与を上げることにつながります。
また、社労士資格と試験範囲が重なっている資格も多く、少しの勉強量で取得できる資格もあります。
ここからは、社労士と合わせてとっておくべき資格について解説します。

資格1.ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとは、家計にかかわる節約、金融、投資、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金、相続などありとあらゆる知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家です。
社労士は公的年金や保険などを専門領域としますので、ファイナンシャルプランナーの資格と親和性が高く、顧客のライフプラン形成に深く関与し、業務の幅を広げることができます。
ファイナンシャルプランナーの試験は「3級」「2級」「1級」があり、2級以上を保有していると専門的な知識があると認められます。
2級は比較的易しく、オンライン講座のみで合格することも可能ですので、ダブルライセンスのハードルが低いです。
社労士の人がキャリアの幅を広げたり、転職の可能性を広げたい時にお得な資格と言えます。

資格2.行政書士

行政書士の資格は社労士がダブルライセンスを目指す時に最も人気な資格です。
行政書士は官公署へ提出する許認可等の申請書類の作成や提出の代理、遺言などの権利義務や事実証明に関する書類や契約の作成、行政不服申立手続きや許認可申請の代理、相談業務など国民生活と行政の間にたってあらゆる手続きを行う「街の法律家」です。
一方で社労士は労働保険・社会保険諸法令に基づいて、官公署へ提出する提出書類や申請書などを作成します。
どちらも書類のプロですが、担当範囲が若干異なるので、ダブルライセンスとなることで業務の幅を広げ、顧客のあらゆるニーズに対応することができます。
例えば、会社の設立に際して顧客が設立の手続きの代理や書類作成を行政書士に依頼したとします。
会社設立後に年金や保険などの労務関連の制度を整えたい時に社労士として相談に乗ることができます。

資格3.中小企業診断士

中小企業診断士は中小企業をさまざまな視点で診断し、経営課題に対応するための助言を行う経営コンサルタントです。
具体的には中小企業の経営課題解決に資する成長戦略の策定やその実施にあたっての具体的な経営計画の立案や実行支援を行います。
中小企業のありとあらゆるニーズに対応できる中小企業の専門家です。
社労士は年金や保険を取り扱う人事労務の専門家です。
中小企業診断士の資格と組み合わせると人事労務に精通した経営コンサルタントとして活躍することができます。
社労士の業務のうち3号である「労務管理や社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導をする」はまさに経営コンサルタントの業務であり、社労士と中小企業診断士の資格は親和性が高いと言えます。

社会保険労務士(社労士)の最高年収は?

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によれば、社労士の平均年収は474万円ですが、年収のレンジは300万円から1,000万円ですので、最高年収は1,000万円以上と言えます。
社労士事務所への所属の有無や経験年数、保有する資格、担当できる業務の幅によって年収が変動します。
社労士として年収を上げるためには営業のスキルを身につけた上で独立開業しましょう。
その上で中小企業診断士や行政書士など業務の幅を広げる資格を取得し、専門性を高めましょう。
これによって、士業としての年収を大きく上げる可能性があります。

社労士(社会保険労務士)になる方法

社労士(社会保険労務士)になる方法

社会保険労務士の資格を得るには、試験に合格しなければなりません。
試験に合格したのち、社会保険労務士の連合会へ登録を済ませれば、社労士として働くことができます。
また弁護士資格を持っている場合も、社労士の仕事が可能です。
社会保険労務士の試験を受けるには、次の条件を満たしている必要があります。
・大学を卒業した者
・大学で62単位以上修了した者
・司法書士または行政書士の資格を持つ者
・厚生労働大臣認定の国家資格に合格した者


試験内容:労働法令、社会保険法令が試験科目です。
・労働基準法
・労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法
・雇用保険法
・労働保険徴収法
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法
・その他法令
・一般常識
試験は完全マークシート方式。

社会保険労務士の男女割合:男性8割、女性2割
試験難易度:高め
※700時間前後は勉強する必要があると言われています。

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マリン

女性が社労士の資格を持って最近働いてる方が多いです。女性にとっては地位と収入の安定が期待でき、キャリウーマンとして働くことも可能です。
執筆・監修者 平均年収.jp 編集チーム
平均年収.jp編集部

外資系出身者・職業紹介本原作者、FP資格保有者・専門ライター、キャリアコンサルタント・大手出版編集者などのメンバーが参画
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