民間公営ごみ収集員は稼げる?平均年収や年収1000万円までの道のり
ごみ収集員年収まとめ
民間企業勤務のごみ収集員の平均年収 | 350万円 |
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公務員のごみ収集員の平均年収 | 657万円 |
公務員のごみ収集員の人数 | 23391人 |
アイミ
ミナミ
マリン
ごみ収集員とは?
ごみ収集員とは家庭や事業所から出たごみを適切に収集し、運搬することが仕事です。
かなりの重労働でなおかつ生ごみなどを収集する際には思わず呼吸を止めてしまうほどの悪臭が漂います。
特に夏場などは暑い上に悪臭がひどく、非常に大変な労働となっています。
ゴミの種類には大きく一般廃棄物と産業廃棄物とに分けられており、それぞれのごみの回収に必要な許可は異なっています。
一般廃棄物、すなわち家庭用のごみを収集、運搬する事業を行う際の許可は市町村に申請し、一般廃棄物収集運搬許可の交付を受けなければ行ってはいけません。
産業廃棄物、すなわち民間の事業所から出るゴミの内、一般廃棄物(紙屑など)に該当しないごみを収集、運搬する際には産業廃棄物収集運搬許可が必要であり、こちらは都道府県に申請することになります。
ですので、会社勤めをしているとごみは一般ごみと産業廃棄物に分けられていることを目にしたことはある方も多いと思います。
一般廃棄物には燃えるゴミ、燃えないゴミ、廃棄物、ペットボトル、瓶、カンなど細かく分けられていますが、この分類やゴミ出し用の袋の値段などは市町村ごとに決められています。
厳しい市町村ですと、ごみを分解して細かく分類するなどしなければならず、ごみの出し方は割と真面目に引越しをして住む際の目安になります。
一般ごみの回収の日はこちらも市町村ごとに決まっており、ゴミ出しカレンダーが配布されます。
燃えるゴミな週に二回で月曜と木曜などです。
つまり、ごみ収集の仕事のほとんどはあらかじめルートが決まっており、決まった日時に決まったルートを通り、時間内にごみ収集及び運搬を完了させます。
ですので、毎週曜日ごとに決まった仕事をしていればいいので一見楽そうですが、冒頭に書いたようにかなりの重労働になります。
もちろん、やる仕事が毎日決まっているのでこなしさえすれば定時で帰れますので、残業はほぼありません。
この時間内に終わることが魅力だという人もいますし、体力に自信がある上で毎日同じことをしても飽きない気質がある人にとってはいい仕事だと言えます。
ごみ収集事業の主体は市町村や都道府県ですので、依頼主の多くは市や県などになります。
民間のごみ収集業務はこの地方自治体から委託を受けて行っていますので、ごみ収集員の多くは一般のサラリーマンですが、一方で自治体自体がごみ収集事業を行っているところもあり、このような自治体ではごみ収集員は公務員になります。
つまり、民間のサラリーマンと公務員とがいるというわけですが、そこで気になるのはもちろん両者の給料の違いでしょう。
そんなわけで、今回はこの民間のごみ収集員と公務員のごみ収集員の給料の違いについて解説いたします。
就職までの道のり
ごみ収集員になるまでの道のりですが、民間の場合は学歴はそれほど重要視されませんが高校は出ておいた方が良いでしょう。
募集要件に学歴不問とあればいいのですが、正社員の条件で学歴が高卒以上は割と多いです。
これは公務員にも言えて、公務員も学歴不問の募集もありますが、公務員の給料が決まる俸給表では中卒の給料は勤続年数を経てもほぼ上がらないので高卒であるに越したことはありません。
中卒ということで高卒よりも給料の伸びが悪い、となると人生を通してみるとかなり給料をもらい損ねていることになります。
経営者側の立場に立ってみると、高卒と同じ仕事をしていても中卒という理由で給料を下げられるなら下げるのは当たり前で、つまり高卒だから給料が高いのではなく中卒だから給料が安くなるというロジックがあるのです。
このごみ収集員になるためには民間と公務員の2つのルートがありますので、民間と公務員それぞれについて説明いたします。
民間のごみ収集員になるには
民間のごみ収集員になるには資格などなくてもなれますが、より収入を上げたいのならば普通免許を取得する必要があります。
免許がなければごみ収集車を運転できないので、収集の際の助手となってしまう上に作業員が1人で行けるようなルートの回収の仕事は回ってくることはありません。
ですので、給料にも差が出てきますので免許は持っていたいです。
ただし、免許も2017年3月11日以前に取得した場合では総重量5トン未満、積載量3トン未満の車を運転できますので総重量5トン未満のごみ収集車を運転できます。
5トン以上11トン未満ですと中型免許が必要になりますが、ごみ収集車は2トン車が多いのでごみ収集業務で必要になるかどうかは会社次第になります。
一方で2017年3月11日以降に取得した場合では免許改正されていますので、2トン車は運転できずに2トン車を運転するためには準中型免許を取得しなければなりません。
他にもごみ収集に関する資格ではウィルスなどの感染の恐れがあるごみや爆発物などを運搬する際に必要な特別管理産業廃棄物管理責任者や廃棄物処理施設に設置が必要な廃棄物処理施設技術管理者などがあります。
特別管理産業廃棄物管理責任者は病院から出る汚染物や不発弾などの特殊なごみを運搬する際に持っている必要がありますが、取得には学歴が必要ですので該当しなければ取得するために再度大学や工業高校などに行かなければなりません。
廃棄物処理施設技術管理者はごみ収集及び運搬業務から離れてごみの行きつく先である産業廃棄物処理場の管理者となりますが、こちらの資格は取得しやすく講習を受けるだけで取得できます。
以上より、ごみ収集に関しての資格はそれほど多くなく、基本的にごみ収集車を運転できれば就職に十分な条件を満たしていると言えます。
そして、ごみ収集会社の社員募集の案件を見つけ、募集要件を満たしているならば履歴書を送り面接を受けます。
見事合格すると晴れてごみ収集員になることができます。
公務員のごみ収集員になるには
公務員のごみ収集員は公務員ですが、まずはごみ収集事業を行っている地方自治体を探さなければなりません。
下の表に示してありますが、公務員のごみ収集員は圧倒的に市町村に多いので、まずは市町村を探します。
ごみ収集員は技能労務員などと呼ばれていますので、この技能労務員の採用試験を受けて合格し、採用されれば公務員のごみ収集員になれます。
また、臨時職員やパートタイム職員は公務員扱いですが採用試験はありませんので、こちらは割となり易いです。
ごみ収集車の気になるお値段は?
ごみ収集車はパッカー車や塵芥車とも言われており、中古市場でも取引されています。
そのお値段は年式やサイズにもよりますが、中古車は400万円前後の相場となっています。
新車では小型車から大型車になるにつれて値段は上がり、400万円から1000万円程度の金額幅になります。
因みにごみ収集車はごみの回収方式で何種類かあり、回転板式、プレス式、ロータリー式などがあります。
大きさの割にはそれほど高額ではないごみ収集車ですので、依頼先さえ確保できれば安定した収入が得られますので独立開業も可能です。
しかし、ごみ収集を事業として行う場合には一般廃棄物収集運搬許可(市町村に申請)や産業廃棄物収集運搬許可(都道府県に申請)が必要で、一定の要件、例えば収集及び運搬を適切に行う技能や知識を有しているなどを満たしていないと許可はおりません。
ですので、全くの未経験からごみ収集事業を行うことは現実的に難しく、まずはごみ収集会社に入社して知識と経験を積むことが大切になります。
民間と公営の平均年収と待遇比較
以下に総務省の平成31年(2019年)の地方公務員給与の実態から月収のデータを引用し年収を計算した結果を示します。
計算は給与月額に12を掛け、基本給にボーナス分として4.5を掛けたものを足して算出しました。
公務員のごみ収集員が技能労務員と呼ばれ清掃員と位置づけられています。
この表から、公務員の清掃員は23414人おり、市町村の在籍者数が圧倒的に多いです。
都道府県では23人しかおらず非常に特殊な職種になっています。
この公務員清掃員の平均年収ですが、657万円でした。
一般的に年収は600万円を超えると高い方だという認識があると思いますが、この600万円の壁を余裕で超えています。
やはり公務員は勤務年数が長くなるとコンスタントな昇給がありますので、給料の伸びがよく平均年収も高くなっているものと思われます。
この年収を民間会社が超えるとなると、普通の作業員ではまず無理です。
なぜならごみ収集員は割と誰でもできる仕事ですので競争率はそれほど高くなく、年収を左右する大事な要素である参入障壁の高さは低いので給料も安いという寸法です。
もちろん、多くの人がやりたがらない仕事ですのでその分年収は高くしないと人は集まりません。
つまり、お金に困れば普段はやりたくない仕事ですがそれなりの給料をもらえるなら人間我慢して頑張るものなのです。
そうして給料の相場が決まりますが、民間でもさすがに650万円もの年収は得られません。
もし得られるとすると、大きな会社の管理職になりますが、管理職になれば収集作業はしませんのでもう収集員とは呼べないと思います。
一方の民間のごみ収集員の平均年収は集計データは無いので推測となりますが、平均年収.JPの調査によると350万円前後であることが分かっています。
これは月額給与が25万円程度となり、手取りとしては20万円弱になります。
年収の傾向としては東京など都市部で高くなり人口の少ない市町村で安くなります。
ですので、東京や大阪と言った大都市では年収500万円を十分に狙えます。
ただ、公務員の年収と比較すると圧倒的に低い結果となっていますので、年齢が若ければ勉強して技能労務員を目指すのも手です。
平均年収.jp編集部
外資系出身者・職業紹介本原作者、FP資格保有者・専門ライター、キャリアコンサルタント・大手出版編集者などのメンバーが参画
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