能楽師の年収を詳しく解説!

能楽師の年収に興味がある方のための基礎知識

能楽師の画像

能楽師の年収

能楽師の年収の平均は、487万円でした。
平均年収推移は446万円~492万円となっています。
お給料(月収):約40万円
最大年収:1000万円以上~

能楽師の有田焼・備前焼等など業種別年収

能楽師の業種別年収を調べてみました。

シテ方:540万円~750万円
ワキ方:330万円~630万円
狂言方:240万円~540万円
囃子方:220万円~530万円

能楽師の推定生涯年収(生涯賃金)を詳しく解説!

上記の平均から算出してみたところ推定20,941万円となりそうです。
日本の平均生涯賃金が17,845万円なので、平均生涯賃金からの増減は3,096万円です。
※新卒から定年まで働いたものとして予測算出しております。

能楽師の年齢別年収予想推移と給与ボーナス予想推移

各年齢を5歳刻みで年齢による年収や月額給与・ボーナスを厚労省の統計と照らし合わせてみたところ
最大年収を迎える50代の年収が584.4万円となりました。
また能楽師で働き盛りの30代の年収はおよそ433.43万円あたりと推測されます。
それでは全体の年齢別年収推移をみてみましょう。

年齢 年収 月額給与
20~24歳 278万円 17万円
25~29歳 296万円~346万円 22万円
30~34歳 280万円~380万円 24万円
35~39歳 329万円~433万円 27万円
40~44歳 366万円~487万円 30万円
45~49歳 423万円~545万円 34万円
50~54歳 474万円~584万円 37万円
55~59歳 470万円~580万円 36万円
60~65歳 294万円~580万円 25万円

平均年収と国税庁の年齢別階層年収との比率で独自で算出した結果になっております。
※ボーナスは夏冬合わせた4か月分で算出してます。
※年俸制は対応していないため年収を12で割った数値が予測数値となります。

能楽師の仕事内容

【能楽師の仕事内容】
能楽師は能役者とも呼ばれ能面をつけて役を演じるシテ方(主役)とワキ方(脇役)に狂言方に囃子方という職掌があり、囃子方は笛方・小鼓方・大鼓方・太鼓方に分かれていてワキ方・狂言方・囃子方は三役とも呼ばれていて、各方はそれぞれに流儀があります。
例えばシテ方には観世流・宝生流・金剛流・金春流・喜多流の5つの流儀があり、ワキ方にも5つの流儀がありましたが進藤流と春藤流は明治期に廃絶し今は下掛宝生流・福王流・高安流の3つの流儀があり、狂言方には大蔵流と和泉流の2つの流儀があり、囃子方の笛方には森田流・一噌流・藤田流の3つの流儀があり、小鼓方には幸流・大倉流・観世流の3つの流儀があり、大鼓方には高安流・大倉流・葛野流・石井流・観世流の4つの流儀があり、太鼓方には金春流と観世流の3つの流儀があります。

すべての能楽師は能楽協会に所属していますが能楽師は個人事業主で、能楽協会から給与が出たり公演のあっせんなどはありません。
狂言方やワキ方の場合は芸能プロダクションが窓口になっていて一座を組んで出演依頼がありますが、シテ方や囃子方の場合はフリーランスの個人事業主で、シテ方が共演者への出演依頼を行ったり、出演する会場との交渉やチケットの手配なども行います。

【能楽師の仕事の面白さ】
能楽師は江戸時代までは猿楽と呼ばれていましたが、明治14年(1881年)に芝公園の敷地内に能舞台の芝能楽堂が作られたのをきっかけに、能楽と呼ばれるようになりました。
しかし明治維新でそれまでは江戸幕府の式楽の担い手として保護されていた猿楽の役者たちは失業し、猿楽は存続の危機に直面しましたが岩倉具視などの当時の政府の要人や華族たちが資金を出し合って猿楽を継承する能楽社を設立し、芝公園に芝能楽堂を建設したのです。
さらに第二次世界大戦で多くの能舞台が焼失し他の多くの伝統芸能と同様に、能楽師も仕事がない時期が長く続きましたが能と狂言をお弟子さんたちに伝えたり、NHKなどのテレビに出演したりしています。
能楽師の主な収入はお弟子からの月謝や舞台やテレビの出演料などですが、能楽師の仕事の面白さは室町時代から続く日本の伝統芸能の継承者であることと、歌舞伎や人形浄瑠璃文楽などとともにユネスコの無形文化遺産にも選ばれた、日本の伝統芸能を仕事にしている誇りです。

流派によって年収は変わるの?

能楽師は能役者とも呼ばれる主役を演じるシテ方と脇役を演じるワキ方に、狂言方と囃子方とに分かれていて、各方はそれぞれに流派があります。
例えばシテ方やワキ方には5つの流儀があり、狂言方には2つの流儀があり囃子方の笛方や小鼓方には3つの流儀があり、大鼓方には4つの流儀があり、太鼓方には3つの流儀があります。
能楽師の年収は流派によってよりも公演の出演依頼があるかどうかと、お弟子さんを何人ほど抱えているかで違ってきます。
もちろん和泉流の和泉元彌や野村萬斎などのようにテレビ番組などに出演する能楽師の場合は年収も桁違いで、和泉元彌は2006年に自分が公演する能楽のマネジメント会社「和泉宗家」が、東京国税局に2003年度までの5年間で2億円以上の申告漏れを指摘されました。
野村萬斎は1994年に出演した大河ドラマ「花の乱」や1997年の連続テレビ小説「あぐり」に出演し、その後も2001年に映画「陰陽師」での主演や2008年には時代劇「鞍馬天狗」で主演の鞍馬天狗を演じるなど活躍しています。

能楽師の現状と将来性

重要無形文化財に指定されユネスコ無形文化遺産にも登録されている能楽ですが、歌舞伎のように企業によって運営されているわけでもなく、文楽のように国から補助を受けているわけでもありません。
また同じ能楽師であってもシテ方やワキ方は芸能プロダクションが窓口になっていますが、シテ方や囃子方は自分たちで舞台の段取りも行います。

さらに舞台のチケットが例え完売しても舞台の使用料や他の出演者の給料や諸経費を差し引くと利益などなく、ほとんど赤字というのが現状です。
さらに能楽師は装束や小道具の購入なども、自分たちで負担しないといけないので大変です。

能楽は専門用語が多用されいるので日本人であっても能楽を見たことがないという人が多く、それを打開する方法としてタブレットが導入されています。
観客は配られたタブレットの画面を見ながら能楽を鑑賞し、タブレットにその場面の解説が表示される仕組みです。

最近では海外からの観光客にもこのタブレットは好評で、中国語や英語で解説が表示されるので能楽の魅力を外国人にも伝えることができると期待されています。

能楽師になるには?

・能楽師資格難易度
能楽師になるためには特別な資格などは必要なく普通は能楽師の家に生まれ、子供の頃から能楽師である親から室町時代から続く日本の伝統芸能の能楽を厳しく教え込まれます。
そして能楽師として生きていくことを決意した場合には、親が所属する流派の宗家に内弟子として住み込み修行を行います。
そして数年間の修行を経て能楽師として一人前と宗家に認められると、宗家から能楽協会に推薦をしてもらい、能楽協会の会員になりプロの能楽師としてデビューします。

・倍率(合格率)
能楽師になるためには親が所属する流派の宗家に内弟子として住み込み厳しい修行に耐える必要がありますが、プロの能楽師としてデビューしても仕事や収入が保障されているわけではありません。
すべての能楽師は能楽協会に所属していますが、能楽協会が能楽師の公演の依頼などはしてくれないからです。
狂言方やワキ方の場合は芸能プロダクションを通じて公演の出演依頼がありますが、シテ方や囃子方の場合は全くの個人経営で自分で仕事を見つけてくるしかありません。

つまり能楽師になるだけでも大変ですが、能楽師になってからも収入が安定しないのでもっと大変です。
有名な能楽師になるとお弟子さんをおおぜい抱えていて、お弟子さんからの月謝も月に1回から3回の指導で1万円前後なので結構な収入になります。
さらに舞台やテレビなどの出演料や、能楽狂言方和泉流野村万蔵家の名跡である野村萬斎のように俳優として多くのテレビや映画などに出演し年収が1000万円を超す能楽師もいる一方で、生活するのが精一杯という能楽師もいます。

能楽師の口コミ年収

能楽師の年収の口コミを取り上げています。

20代 ワキ方

年収265万円
能楽師のワキ方として能公演を行っていますが、主催する能公演のほとんどは赤字です。
これは例えチケットが完売した場合でも、舞台の使用料や出演料やその他の経費を差し引くと利益は残りません。
それでもできるだく多くの方に、伝統芸能の舞台を観て欲しい一心で、最初から赤字を見越して行っています。

30代 狂言方

年収554万円
能楽師は30代から芸に個性が出てくると言われますが、面や装束を身に付け同じ謡って舞っても40代や50代の先輩方にはとても及びません。
いつになったら芸が出来上がるのか、芸に個性が出るのかと思います。

エンターテイメント、クリエイティブ系職種の年収

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