溶接工の年収を解説

溶接工に興味がある方のための基礎知識

溶接工の画像

溶接工の年収を詳しく解説

溶接工の年収の平均は、466万円でした。(平成27年度厚生労働省の賃金構造基本統計調査調べ)

平均年収推移は435万円~482万円となっています。

お給料(月収):約29万円

【職種・役職別年収】
ベテラン溶接工:年収650万円~800万円
独立親方クラスの溶接工:750万円~1000万円以上
見習い溶接工:年収300万円~

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると平成27年度の溶接工の月収は29万1100円で、年間に4ヶ月のボーナスがあると仮定しこの月収に16を掛けると29万1100円×16ヶ月=465.76万円になります。
また溶接工の年収は勤務する企業の規模によっても異なりますが、新卒の初任給は20~25万円で初年度の年収は約300万円程度と言われています。
その後は年齢と共に経験を積み40代で440~500万円程度の年収になるようです。
ただこの金額はあくまで平均的な年収で造船所など水中での溶接作業や、高層ビルなど高所での溶接作業を行う人の年収はかなり高くなっています。

溶接工の年齢別年収予想推移と給与ボーナス予想推移

各年齢を5歳刻みで年齢による年収や月額給与・ボーナスを厚労省の統計と照らし合わせてみたところ
最大年収を迎える50代の年収が559.2万円となりました。
また溶接工で働き盛りの30代の年収はおよそ414.74万円あたりと推測されます。
それでは全体の年齢別年収推移をみてみましょう。

年齢 年収 月額給与
20~24歳 266万円 17万円
25~29歳 281万円~331万円 21万円
30~34歳 263万円~363万円 23万円
35~39歳 311万円~415万円 26万円
40~44歳 345万円~466万円 29万円
45~49歳 400万円~522万円 33万円
50~54歳 449万円~559万円 35万円
55~59歳 445万円~555万円 35万円
60~65歳 277万円~555万円 24万円

平均年収と国税庁の年齢別階層年収との比率で独自で算出した結果になっております。
※ボーナスは夏冬合わせた4か月分で算出してます。
※年俸制は対応していないため年収を12で割った数値が予測数値となります。

溶接工の大卒・短大卒・高卒の年収予測

厚労省が出している賃金統計の学歴差年収を基準として、平均年収や業種の規模間などから一番年収差がつく50歳の時の年収で、大卒 高卒までの年収を予測してみました。※予測値となるため実際のデータとは違う可能性があります。

最終学歴 年収(50~54歳)
大卒 699万円
短大卒 526万円
高卒 447万円

※厚労省が算出した賃金統計調査から平均的な賃金比率を税理士が割り出し、それを元に計算した予測結果となっております。

溶接工の都道府県別(東京大阪名古屋福岡等)平均年収

年収は地域により変動します。溶接工の平均年収を各都道府県の平均年収と照らし合わせた地域別の年収を算出しました。 上から北海道下は沖縄県までとなっています。ご覧ください。

都道府県 平均年収
北海道 419万円
青森 373万円
岩手 419万円
宮城 466万円
秋田 373万円
山形 419万円
福島 419万円
茨城 466万円
栃木 466万円
群馬 466万円
埼玉 419万円
千葉 466万円
東京 652万円
神奈川 513万円
新潟 419万円
富山 419万円
石川 466万円
福井 466万円
山梨 419万円
長野 466万円
岐阜 419万円
静岡 466万円
愛知 513万円
三重 466万円
滋賀 466万円
京都 466万円
大阪 559万円
兵庫 466万円
奈良 466万円
和歌山 419万円
鳥取 419万円
島根 419万円
岡山 466万円
広島 466万円
山口 466万円
徳島 466万円
香川 419万円
愛媛 419万円
高知 419万円
福岡 466万円
佐賀 373万円
長崎 419万円
熊本 419万円
大分 419万円
宮崎 373万円
鹿児島 419万円
沖縄 373万円

比較してみると、一番年収が高い東京都の溶接工の年収が、およそ652万円。
一番低い沖縄県の年収が373万円 となり0万円の年収差ができています。

溶接工の大企業・中企業・小企業それぞれの年収・給与・ボーナス推移

大企業・中企業・小企業で働く溶接工の年収の差を厚生労働省の企業規模比率と掛け合わせ独自の予想を算出してみました。

規模 年収
大企業の溶接工 541万円
中企業の溶接工 447万円
小企業の溶接工 405万円

厚生労働省の企業規模比率から独自で予測算出をした結果が上記となります。

溶接工で年収1000万円以上稼ぐには?

溶接工の平均年収は435万円~482万円となっていますが溶接工の仕事もさまざまで、もし本気で溶接工で高年収を稼ぐのであれば水中で作業をする水中溶接工を目指してみては如何でしょうか。
水中溶接工は海中や川の中や池やダムなどに潜り、専用のホルダーや溶接道具を使って水の中で溶接作業をします。、
造船所での水中作業を行う水中溶接工もいますが普通の溶接作業とは異なり、水の中では高温で溶接しても瞬間で冷却されるためビードを細かく一定に保つ必要があります。

陸上での溶接と比べると約20%程度は強度アップをする必要があり、熟練の溶接工でないとできないこともあり一般の溶接工と比べるととても給料が高くなっています。
水中での溶接作業の場合は一般の溶接と比べるとアーク電圧を高くすることが多く、万が一溶接棒に触れたり電撃に触れたりする死に至るような事故の危険があります。
さらにボンベの送気菅の破損の危険性や溶接作業中に空気の残量に気付かなく、溺死するなどの水難事故が起きる可能性もあります。

また潜水士の職業病とも言われている地上と水中の気圧差で起きる、高気圧障害に掛かる水中溶接工も多いようです。
さらに海難事故での水中での溶接作業中に、溶接の火にガスが引火して爆発し亡くなった水中溶接工もいます。

このように水中溶接工は普通の地上での溶接と比べると危険で、高度な技術や経験が求めらることもあり普通の溶接工の2倍から3倍以上の給料をもらえ、中には年収が1000万円以上の溶接工もいるようです。

溶接の業種や種類によって単価など変わるの?

溶接にもアーク溶接やスポット溶接などいくつかの種類があり、一般に溶接と言う場合にはアーク溶接のことを指す場合が多いようです。
スポット溶接は自動車工場や板金工場でよく使われている溶接方法で、アーク溶接とは違い溶加材を使用しないことが一般的です。

アーク溶接は融接と呼ばれる手法でアーク溶接の他にもガス溶接や酸素アセチレン溶接や、エレクトロスラグ溶接や電子ビーム溶接やレーザービーム溶接などがあります。
スポット溶接は圧接と呼ばれ他にもプロジェクション溶接や・シーム溶接や、突合せ抵抗溶接・アプセット溶接・フラッシュ溶接・バットシーム溶接などがあります。

融接や圧接の他にもろう付けやはんだ付けを行うろう接があり、溶接するにも自動車の部品や船の溶接から精密機器まで多岐に渡っています。
そのため溶接の業種や種類や難度によって、溶接単価がそれぞれ異なっています。

溶接工の仕事内容

【溶接工の仕事内容】
溶接溶接工の仕事は2つ以上の金属などを熱を加えて溶かし繋げることで電気や火などの熱で溶かして接合する融接と、熱を加えないで圧力だけで接合する圧接と、柔らかい金属を利用して接合するろう接の主に3つの接合方法があります。
また溶接工の活躍の場も建築現場や自動車工場のラインや造船所など多岐にわたっていて溶接する素材や製品もさまざまで、建築現場であれば鉄筋を溶接したり自動車工場のラインであれば流れてくる自動車の部品を溶接していきます。
その他にも金属アクセサリーや時計などの小さな部品を溶接したりもしますが、小さな部品の溶接をする場合には金属を溶かすために火傷をしないように注意が必要です。

溶接工の仕事は基本的には設計から始まり次に加工を行い、最後に製造という3段階があります。
例えばアーク溶接と呼ばれる最も一般的な溶接方法の場合には、金属の材料である鋼材を切断することから始めます。
鋼材もさまざまで例えば鉄板を切断する場合にはメタルシートカッターと呼ばれる専用のカッターを使い、鉄棒やパイプを切断する場合にはチップソー切断機と呼ばれる電動ノコギリのような道具を使います。

次に切断した鋼材を熱して叩いたり曲げて加工を行い、融接・圧接・ろう接などの3つの接合方法で鋼材をつなげていきます。
つなげる工程が終われば次に工具を使って鋼材を磨く作業があり、最後に鋼材にサビ止めを塗っていきます。

ただ溶接工の仕事は実に多様でMIG溶接と呼ばれる機械を使用し半自動で溶接を行ったり、スポット溶接と呼ばれる鋼材に通電し発生した熱で溶接を行ったりします。

溶接工になるには?

・溶接工資格難易度
溶接工になるには公共職業訓練校で溶接に関する知識や技術を身に付けるのが一般的で、公共職業訓練校には中学校や高校を卒業したばかりの若者と再就職を目指す社会人の方々と半々くらいで在籍しています。
公共職業訓練校では学科と実習があり学科は溶接機の構造や操作方法や、溶接機を使用する際に必要な電気やガスや溶接材料についてや安全面や衛生に関する基礎的な知識を学びます。
また実習では手溶接と半自動溶接について学びますが、ガス溶接に関しては危険な可燃性のガスを使用するため各都道府県の労働基準局長が指定するガス溶接技能講習を修了する必要があります。
関連資格としては溶接技能者などがあり溶接工になるのであれば、これらの資格を取得した方が有利です。

・倍率(合格率)
日本溶接協会が実施している溶接技能者の資格は溶接作業を行う技能者の技量を、一定基準に基づいて評価試験を行い資格の格付けと認証を行うものです。
溶接技能者の試験は学科試験と資格種別に応じた試験材料を使用して溶接作業を行う実技試験とありますが、合格率は99%ととても低く真面目に受講をすればほとんどの人が合格します。

溶接工の年収の本音を聞いてみました。

20代 溶接工場見習い

年収335万円
工業高校を卒業し溶接工になるために、公共職業訓練校に入校し今の会社に就職しました。
まだまだ覚えることが多く、先輩からさまざまなことを学ぶ毎日です。

30代 自動車メーカー

年収467万円
自動車メーカーで溶接工として働いています。
近年では溶接もロボットアームなどによる溶接も進んでいますが、溶接工でないとできないこともたくさんあります。

40代 親方

年収572万円
溶接機械の技術が発達して溶接工の仕事も、少なくなっているとも言われています。
ただ溶接工の仕事は機械ではできないような正確な判断や、臨機応変さが求められるのでなくなることはありません。

執筆・監修者 平均年収.jp 編集チーム
平均年収.jp編集部

外資系出身者・職業紹介本原作者、FP資格保有者・専門ライター、キャリアコンサルタント・大手出版編集者などのメンバーが参画
執筆者・監修者一覧

インテリア、建築系の年収一覧

インテリア、建築系の年収一覧をまとめてみました。

▲このページのトップへ戻る