通関士の年収を詳しく解説!

通関士の年収に興味がある方のための基礎知識

通関士の年収

通関士年収まとめ

平均年収(ボリュームゾーン) 280万円から500万円程度
中央値 338〜389万円
平均時給 派遣社員は時給1,599円
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アイミ

通関士の平均年収を解説します。平均年収については、厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」が参考になります。また、求人サイトなども平均年収を公表していることがあります。
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ミナミ

ここからは、通関士の平均年収について信頼できるデータをご紹介します。

通関士の平均年収

通関士の平均年収を解説します。
平均年収については、厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」が参考になります。
また、求人サイトなども平均年収を公表していることがあります。
ここからは、通関士の平均年収について信頼できるデータをご紹介します。

賃金構造基本統計調査による通関士の平均年収

厚生労働省は様々な業界に関して月額の賃金などを「賃金構造基本統計調査」で公表しています。
残念ながら、直近の「賃金構造基本統計調査」では、通関士の平均年収が記載されていません。

民間企業公表の調査による通関士の平均年収

転職サイトによれば、正社員雇用の通関士の平均年収は399万円となっています。
ただし、平均年収のボリュームゾーンは280万円から500万円程度になっています。
中央値は338〜389万円の水準です。
給与のレンジが広いのは勤務先や経験・求められるスキルによって大きな差があると予想されます。
また、雇用形態によって平均年収が異なります。
正社員は399万円、派遣社員は時給1,599円となっています。

求人による通関士の平均年収統計

通関士を募集している求人をみて、年収の水準を確認しましょう。
求人1(通関業務の実務経験をお持ちの方募集)
入社8年目:470万円
入社11年目:510万円
入社15年目:560万円
求人2(未経験者歓迎、通関士資格必須)
未経験:500万円
経験3年目:550万円
求人3(未経験者歓迎、通関士資格必須)
入社後:366万円~495万円
求人4(通関士又は関係業務経験者(通関士取得見込み))
30歳:520万円
物流関連の会社で通関士の求人募集が多いようです。
通関士の資格を保有していなくても取得が見込まれる場合は採用の可能性がある求人もあります。
未経験の場合には350〜500万円、入社3〜5年目で500万円以上となる求人が多いです。

通関士の男女別年収差

国税庁は国民全体の平均年収を公表しています。
それによれば、国民の平均年収は461万円ですが、男女別では男性が567万円、女性が280万円と男女で2倍程度の賃金格差があります。
通関士の給与は男女でどの程度の開きがあるのでしょうか。

通関士の男性の平均年収

厚生労働省などの公的機関や求人サイトでは、通関士の男女別の賃金に関して統計データを公表していません。
ただし、国税庁によれば、男性の平均年収が567万円、女性の平均年収は280万円となっています。
全体の平均年収は461万円ですので、男性の平均年収は全体の平均年収の1.2倍です。
通関士について同様の賃金格差があると仮定すると、399万円×1.2=479万円となります。
男性の通関士の平均年収は450〜500万円ではないかと予想されます。

通関士の女性の平均年収

女性の通関士についても厚生労働省や求人サイトは平均年収に関する統計データを公表していません。
しかし、国民全体で約2倍(567万円÷280万円)の男女の賃金格差がありますの で、通関士においても約1.5〜2倍の賃金格差があると予想されます。
したがって、通関士の女性の平均年収は200〜250万円程度であると予想されます。

執筆・監修者 
平均年収.jp 編集チーム

外資系出身者・職業紹介本原作者、専門ライター、キャリアコンサルタント・大手出版社などのメンバーが参画
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雇われ通関士の通関士の1年目5年目10年目の年収

雇われ通関士とは物流会社などに勤務する通関士を指します。
正社員雇用の通関士の平均年収と経験年数の関係について見ていきましょう。
厚生労働省や求人サイトは通関士の年齢別、経験年数別の平均年収を公表していません。
したがって、国税庁の統計データを基に通関士の経験年数別の平均年収を推定しましょう。

1年目の平均年収

留年や浪人せずにストレートで大学を卒業した場合には社会人1年目の年齢は22歳です。
学生時代に通関士の資格を取得することが可能ですので、通関士資格を取得して、大学を卒業後に正社員として採用されたと仮定しましょう。
国税庁はすべての業界の年齢階層別の平均給与を公表しています。
国税庁によれば、20〜24歳の平均年収は282万円です。
すべての年齢の平均年収は461万円ですので、この年齢層の平均年収は全体と比較して約60%です。
これを通関士に当てはめて考えてみましょう。
399万円×60%=240万円となります。
概算ではありますが、通関士の1年目の給与は200〜300万円程度と予想されます。

5年目の平均年収

社会人1年目を22歳とした場合に社会人5年目は27歳です。
通関士5年目の年齢を27歳と仮定して、平均年収を見ていきましょう。
国税庁によれば、25〜29歳の平均年収は373万円であり、すべての年齢の平均年収の約80%の水準です。
これを通関士に当てはめて考えてみましょう。
399万円×80%=320万円となります。
概算ではありますが、通関士の5年目の給与は250〜350万円程度と予想されます。

10年目の平均年収

社会人1年目を22歳とした場合に社会人10年目は32歳です。
通関士10年目の年齢を32歳と仮定して、通関士10年目の平均年収を考えましょう。
国税庁によれば、30〜34歳の平均年収は450万円となります。
これはすべての年齢の平均年収の約97%の水準です。
これを通関士に当てはめて考えてみると、399万円×97%=387万円です。
概算では、通関士の10年目の平均年収は350〜450万円程度と予想されます。

独立通関士の年収レンジ

独立通関士とは、物流会社などに正社員雇用で所属しない通関士を指します。
つまり、独立して個人事業主として働いている通関士です。
通関士は、貿易事務、個人輸入出業などを事業として個人事業主や新規に会社を設立することが可能です。
しかし、個人事業主になると物流会社などの会社内で仕事がもらえるわけではないので、固定給がありません。
どの程度稼げるかは会社の看板ではなく、通関士としてのスキルや能力、知名度に依存します。
独立通関士の中には、平均年収を大幅に超える給与を稼ぐ通関士もいれば、薄給の通関士もいるようです。
独立通関士の平均年収ですが、厚生労働省や民間企業は公表していません。
ただし、独立開業すれば努力やスキル次第で給与は青天井ですので、1,000万円以上稼ぐことも可能でしょう。

独立通関士が年収を上げる方法

独立通関士の場合には固定給がないので、営業活動をして仕事を獲得しないといけません。
貿易や物流事業を営む海運会社、物流会社、商社などに営業活動をして仕事をもらう必要があるでしょう。
また、クラウドソーシングサイトなどで通関士の仕事を募集している場合に営業をかけることになります。
独立通関士が年収を上げる方法は主に2つあります。
1つ目は貿易額が大きい商社などから仕事を獲得することです。
仕事量も多いので、安定して受注することができれば、大きな金額を稼ぐことができるでしょう。
しかし、企業は社内に通関士を雇用していることがあるので、その場合には仕事を受注することが難しいです。
2つ目は個人客から仕事を獲得する方法です。
海外物販や輸入ビジネスを営む個人から通関事務の代行を依頼してもらえば手数料を受け取ることができます。
通関代行の費用は概ね1万円から2万円程度なので、案件をたくさんこなす必要があるでしょう。
ただし、一人でたくさんの案件を抱えることは大変ですので、通関士事務所などを設立して、通関代行の仕事を大量に受注することで年収を大きく上げることができます。

通関士で入社できる企業

通関士の求人を募集している業界としては海運や倉庫、商社、メーカーなどがあります。
いずれも貿易や輸入を頻繁に行っている企業であり、通関業務の需要があります。
通関士で入社できる企業としては以下の企業があります。

日本通運
DHL
近鉄エクスプレス

日本通運は鉄道や貨物自動車を利用した運送業や海運業、航空運送業、倉庫業などの総合物流会社として知られています。
一般個人の消費者物流から企業物流まで取り扱い、国内に約1,100拠点、海外47過酷に733の拠点を持ちます。
貿易事務や税関事務の需要が高い企業であり、通関士の求人もあります。
新卒で入社して、通関士の資格を取得する社員もいれば、通関士の資格を持って中途で入社する人もいます。
通関士として、輸出入関連の事務業務を担当します。
通関事務や輸出物の内容を確認して、社内システムに記録したり、海外の拠点と連絡を取ることもあります。

DHLはアメリカ初の国際物流会社であり、日本ではDHLジャパンとして国際宅配便事業を行っています。
世界220の国と地域で操業しており、自社の貨物用航空機やトラックを使って、国際航空貨物輸送を行っています。
通関士の資格を保有していれば、業務未経験でも募集できる中途向けの求人を多数募集しています。
通関士の業務内容としては、通関手続きに関する書類作成や税関への申告業務、通関手続きに関するお客様との連絡業務、貨物審査の立会いなどです。

近鉄エクスプレスは、国際航空貨物事業を主力事業とする国際総合物流会社です。
陸上輸送事業では、お客様の通関事務の代行なども行い、海上貨物輸送や航空貨物輸送では、スマートフォンやパソコンなどのエレクトロニクス製品や自動車、ブランド品などを輸送しています。
世界46カ国に拠点を持ち、お客様の通関代行や自社の貨物輸送に伴う通関事務を行うにあたって通関士の需要があります。
近鉄エクスプレスの求人は通関士資格を持っていれば業務未経験でも応募できます。
輸出関連の通関業務が主であり、輸出申告書類の作成及び審査、社内の問合せ対応などが業務内容です。

通関士の年収は士業の中では低い?それはどうして?

求人サイトによれば、通関士の平均年収は399万円です。
厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」によれば、同じ士業の平均年収は以下のとおりです。

弁護士…月額82.2万円(年986.4万円)
公認会計士、税理士…月額43.7万円(年524.4万円)
社会保険労務士…月額41.0万円(年492.0万円)

このように通関士の平均年収は他の士業と比べて低いことがわかります。
理由としては通関士の需要が高くないことが挙げられます。
正社員雇用の通関士を雇用している会社では長年貿易事務や通関事務を担っている社員がおり、その社員が通関士の資格を保有していれば、新たに通関士を雇う必要がありません。
また、一部の上場企業や大企業を除いて、通関士の需要がある倉庫業界や運送業界は他の業界と比べて平均年収が低いです。
これらの業界は過当競争の中にあり、利益率が高くないので、社員に還元することが難しいでしょう。
さらに通関士の仕事は専門性がありながら結局は事務の仕事であると言えます。
輸出入や通関手続きに通関士は必要ですが、業務内容は事務作業であり、どの業界でも事務の仕事は給与水準が低いです。

通関士の最高年収は?

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、通関士の平均年収が確認できません。
求人サイトでは平均年収399万円であるとわかりますが、1,000万円以上稼いでいる方もいるようです。
通関士は独立の有無や経験年数、スキルや能力によって給与に幅があります。
しかし、通関士は他の士業よりも給与水準が低いので、高い収入を狙うのが難しいと言えます。

通関士になる方法とは?

通関士になる方法とは?

弁護士などの国家資格同様、通関士も国家試験に合格しなければなりません。 また難易度も高いので、通関士を目指すなら徹底的に勉強する必要があります。
通関士としての基礎知識を学ぶのも数ヶ月かかるレベルで、試験対策として過去問題や例題をしっかり解いていかなければなりません。
例えば1日2時間ほど勉強した場合、合格できるレベルに達するまでは最低でも6ヶ月はかかるでしょう。
独学で通関士の資格を取得することも可能なので、本業の合間に勉強をするなら自分のペースを確立させることが重要です。
ハローワークや求人サイトで募集はあるものの、通関士の求人自体は少ないため、商社や貿易を営む企業、通関業者の求人募集をチェックするのがベストでしょう。

通関士を目指せる学校は?

通関士を目指すためのカリキュラムを用意している学校はいくつかあります。中でも人気がある学校がこちら。
・ 専門学校 東京スクール・オブ・ビジネス
・ 国際外語・観光・エアライン専門学校
・ グレッグ外語専門学校
・ 外語ビジネス専門学校
・ ホスピタリティツーリズム専門学校
・ 国際デュアルビジネス専門学校
・ 神田外語学院
・ ECC国際外語専門学校

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マリン

貿易業務に関する能力を測る検定が、日本貿易検定というものがあります。
A〜Cランクで評価されるもので、絶対必要という訳ではありませんが、あると圧倒的に有利です。
通関業、貿易業、物流業で就職活動・転職活動をするなら持っておきたい検定ではあります。

日本貿易検定では英語力も試されます。
あくまで基本的なレベルですが、英語が苦手ならしっかり勉強しておきましょう。

通関士の年収の本音

現役で通関士として働いている方のリアルな年収事情、仕事事情をピックアップ!

30代 関東在住

年収はだいたい680万くらいですね。
通関士の資格手当が2万円くらいついてこの年収です。手当は会社によって違います。

40代 関東在住

貿易会社で働いていて、年収は600万になりました。
給料の内訳は一般的なサラリーマンとそう変わらないと思いますが、通関士資格には手当がつきます。
資格を持っているので社内でも任される案件があったりと、高待遇で重宝されていますよ。

執筆・監修者 平均年収.jp 編集チーム
平均年収.jp編集部

外資系出身者・職業紹介本原作者、FP資格保有者・専門ライター、キャリアコンサルタント・大手出版編集者などのメンバーが参画
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