年収1500万円の住宅ローンの平均借入額を年齢別・種類別(フラット35、変動金利制)で徹底解説します

年収1500万円の生活を完全解説します

年収1500万円住宅ローンの画像

年収1500万円の住宅ローンの理想金額とリアルな生活・返済事情

がんばれば普通のサラリーマンでも手にできるかもしれないのが年収1000万円ですが、年収1500万円ともなればごく一部の本当のエリートしか到達することはできません。
大企業の役員クラスや、会社経営者、医師や弁護士などの士業がその代表です。
国税庁の平成28年度の民間給与実態統計調査によると、給与所得者の1人当たりの平均給与は422万円。男女別に見てみると、男性521万円、女性280万円となっています。
年収別の人口比を見ると、わずか0.7%しか存在しないのが、年収1500万円~2000万円の人です。

年収分布と割合の画像

そんな選ばれし高額所得者である年収1500万円超えの人がもし住宅を購入しようとしたら、どのくらいの住宅ローンを組むことができるのでしょうか?
その生活実態から順を追って見ていきましょう。

年収1500万円の生活実態【手取り・生活費など】

年収1500万円というのは、12か月で割ると月額約125万円です。
社会保険料や所得税などが天引きされて、手取りは約65%の81万円くらいになることでしょう。
日本は累進課税制度をとっているので、低収入のときよりも手取りの割合が少なくなります。
単純に年収が倍になったからといって、手取りが倍にはならないのです。この点で、高所得者ほど損をしている、と考える人もいます。
仮に正社員でボーナスが4か月分あるとすると、月給は約93.7万円となり、手取り額は60万円程度と少なくなるでしょう。
また、扶養家族の人数などによっても控除があることから手取り額は異なります。独身者より扶養家族がいる人の方が、手取りが数万円多いこともあります。

年収1500万円の人の一般的な生活の具体例を挙げてみます。

年収1500万円(手取り1000万円/月額83万円)

・住居費(家賃):23万円
・食費:7万円
・水道光熱費:2万円
・通信費(ネット料金、携帯電話):2万円
・被服費:4万円
・日用品費:2万円
・交際費:5万円
・趣味・娯楽費:4万円
・保険料:3万円
・自動車維持費:3万円
・貯金:28万円
※都内一人暮らしの場合

まさに独身貴族といったところ。年収1500万円の独身生活なら、好きなことにお金を使うことができます。
収入が多いので、どこにお金を使うのかは人によって大きく違います。この例の独身男性は、貯金に多く費やし、あとはときどき友人と飲みに行ったりといったことに使っています。
人によっては、資産運用のセミナーやパーソナルトレーナーをつけるなど、自己投資に多くお金をかけていることでしょう。
金銭的には余裕のある生活ができますが、その分仕事も忙しいので、あまり遊びに行ったり旅行したりといった暇はないかもしれません。
一方、既婚者の場合はどのような生活になるでしょうか。一例を覗いてみましょう。

年収1500万円(手取り1000万円/月額85万円)

・住居費(家賃):24万円
・食費:9万円
・水道光熱費:2万円
・通信費(ネット料金、携帯電話):3万円
・被服費:4万円
・日用品費:2万円
・交際費:4万円
・趣味・娯楽費(レジャー):4万円
・保険料:3万円
・自動車維持費:3万円
・教育費:7万円
・貯金:20万円

※都内在住、妻(専業主婦)、子ども2人の場合

既婚者で子供がいる場合、教育費が多くかかることがわかります。
特にこの年収帯になると、子供は私立の学校に通っていることが多いので、学費だけでもかなりの額になります。
それに加えて塾や習い事の月謝も必要です。
快適な暮らしのために、アクセスがよく、防犯対策も万全のマンションで暮らしていると予想されるので、家賃は24万円と高額です。
家族がいればそれなりに部屋数も必要になります。
家賃にこれだけ出しても余裕があるので、住宅を購入することを検討する人もいることでしょう。

年収1500万円の人の金融機関から借り入れできる金額の目安

では、年収1500万円の人は銀行からどのくらい借りられるのでしょうか?まずは目安となる金額を知りましょう。
一般的に、1年間の住宅ローン返済額は年収の25%までが上限といわれています。
つまり、年収1500万円の人は、年間375万円、月額にすると約31万2000円以下を借り入れるのが現実的です。
融資の上限は、「返済負担率」によって決まります。年収1500万円なら35%となります。
ただし、ほかに借金や車のローンなどがあるなら、その金額も返済負担率に含めます。
仮に、家賃と同額程度の月額24万円を毎月の返済額と設定してみましょう。その場合の住宅ローンの借り入れ金額の目安は以下の通りです。

借りられる金額 期間 金利
フラット35の場合

7838万円

35年

固定金利1.5%

変動金利(通常の銀行)の場合

9114万円

35年

変動金利0.625%

目安としては、7000万円~9000万円くらいのあいだでローンを組むのが一般的なようです。
この年収帯の人は勤め人ではなく、会社経営者である可能性も高いでしょう。
頭金をどのくらい用意できるかでもローンの額は変わってくるので、よく考えて返済計画を立てましょう。

年収1500万円のローンの年齢別理想額

年収1000万円といっても、年齢によって借り入れることができる住宅ローンの金額は変わってきます。
年齢が高くなればなるほど、働いて安定した収入を得られる期間が短くなることから、長期での借り入れが難しくなります。
某大手銀行のシミュレーターを参考に、返済期間別(年齢別)の借入額を見ていきましょう。仮に定年を65歳として、その年齢までの残り期間を返済期間としています。
(※月々返済24万円/ボーナス月+1万円/変動金利0.625%)

借り入れ額 返済期間
30歳

9114万円

35年

35歳

7931万円

30年

40歳

6710万円

25年

45歳

5450万円

20年

返済年数によって、ローン総額は大きく変わってきます。月の返済額が大きいので、トータル金額もかなり違います。
返済年数が15年違うと、4600万円も総額に差が出ます。
勤め人ではなく会社経営者の場合定年はありませんが、それでも何歳まで働けるのか、今の年収を維持できるのか、といったことが重要になります。
何歳で買って、何歳までにいくら支払い終えるのか、よく試算して、最適な時期に購入することをお勧めします。

年収1500万円の住宅ローン最高借入額(返済負担率がマックスのとき)

ネットでは住宅ローンのシミュレーションが多くのサイトで可能です。
大手の銀行のホームページには、年収や月々の返済可能額から借入金額を算出するページなどもあります。
金融機関から借り入れできる住宅ローンの最高額の一例を挙げてみます。

借りられる金額 期間 金利
フラット35の場合

8000万円

35年

固定金利1.5%

変動金利(通常の銀行)の場合

1億9261万円

35年

変動金利0.5%

※フラット35の場合、貸付上限の8000万円を超えることから、借り入れ可能額は8000万円としています。


返済負担率は、MAXで算出しています。 いくら年収1500万円の高額所得者だからといって、2億円近いローンを組むのは無謀です。
年収のなんと13倍。この金額は、そもそも銀行の審査に通らない可能性が高いです。
上記はあくまでもシミュレーターでの計算なので、現実には無理だと思ってください。
仮に、1億9000万円でローンを組んでしまったとしたら、月々の返済額は50万円くらいにはなることでしょう。
いくら年収1500万円でも、月々の手取りは100万円に満たないことがほとんどなので、返済は難しいはずです。
高級なところに住むことができても、生活が苦しかったら意味がありません。無理なく返済できる額で、住宅ローンは組みましょう。

年収1500万円が無理なく返済できる住宅ローンの毎月返済額

生活に支障なくローンを返済するためには、毎月いくらを返済することが妥当なのでしょうか?
目安となるのは現在の家賃の金額です。年収1500万円の人なら、家20万円~30万円程度の家に住んでいることでしょう。
住んでいる地域や家族の人数によって広さや家賃が異なりますが、とりあえずは現在払っている家賃を基準にして、毎月の返済額を決めましょう。平均的には24万円くらいが妥当なのではないでしょうか。
一般的に、住宅ローンの借り入れ金の上限は年収の5倍までにするとよいといわれています。ということは、
「年収1500万円×5倍=7500万円」となります。
ローン総額は7500万円以下で、月々24万円の支払い、というのが無理なく返済できる金額だと思われます。
この金額なら、金利にもよりますが30年くらいで返済できるのではないでしょうか。繰り上げ返済をしていけば、もっと早く完済できる可能性もあります。

Bさんの返済事情と生活スタイル(うまくいってる事例)

年収1500万円で住宅ローンを組んだAさんの事例を見てみましょう。

・年収1500万円、40代(ボーナス年4か月分、月々の手取り60万円)
・妻(専業主婦)、子供2人(中学生)




というスペックのAさんの住宅ローン事情は以下の通り。

Aさんの住宅ローン事情

・東京在住、新築分譲マンション
・返済期間:30年
・月々の返済:20万円
・ローン総額:6000万円
・ボーナス払い:なし

交通の便のいい駅近のタワーマンションを購入しました。 Aさんはボーナスの額が年間額面400万円近くありますが、月の手取りは税金で引かれることもあってそれほど高額ではありません。
月々の返済額は20万円。
以前住んでいたところの家賃よりは抑えています。
ローン総額も年収の4倍までにしています。足りない分は頭金を貯めて支払いました。
子供が2人とも私立の中高一貫校に通っているため、学費がかなりかかります。投資信託や定期預金に現金を回している分を引くと、年収の割に贅沢はできないのだとか。
Aさん本人も趣味のジムに通い、妻も習い事をしており生活に余裕があるように見えますが、セレブというほどのお金持ちではないと自覚しているそうです。
ただ、これまであまり節約について考えてはこなかったので、「削る」よりも「増やす」方法で生活を維持しようと思っているとのこと。
子供たちが大学に入ったら留学させたいとも考えているので、資産を増やしてそのときに備えようとしているのだそうです。

年収1500万円の住宅ローンまとめ

高収入の年収1500万円。その分多忙で、生活するのにも多額の経費がかかります。
自分のことを「お金持ち」と思って湯水のようにお金を使っていては、住宅ローンの返済が滞ってしまったり、将来のための貯金もできなかったりするかもしれません。
慢心は禁物です。生活の中で何を大切にして、何にお金をかけるべきなのか、家族でよく考えて、最適な住宅ローンを組みましょう。

年収別住宅ローン基礎知識

▲このページのトップへ戻る