翻訳家の年収

翻訳家 の平均年収に興味がある方のための基礎知識

翻訳家の画像

翻訳家の年収を詳しく解説(口コミ調べ)

翻訳家の年収の平均は812万円でした。(口コミ調べ)
稼いでいる人とそうでない人とも格差は大きく、年収100万円程度の方から、1,000万円前後、上では6,000万円を稼ぎ出す人までいます。
ボリュームゾーンとしては、400万円から600万円というところのようです。

翻訳家の種類:
出版小説翻訳
文芸作品やビジネス書など出版物の翻訳をします。
映画翻訳
テレビ番組などの翻訳です。吹き替えと字幕のほか、インタビューの音声など翻訳する仕事があります。
実務翻訳
企業や官公庁からの依頼で文書の翻訳をしています。特許会社所属で翻訳の仕事をしている人もいます(正確には、「家」とつく職業には、それを仕事としている会社員は含みません)。
翻訳家の年収は企業で正社員とフリーランスとがあり、フリーランスの翻訳家のほうが圧倒的に多いです。
また翻訳家の場合は「ビジネス・映画・文学・法律」などそれぞれ得意なジャンルがあり、フリーランス翻訳は映画・文学・文書などが多く、正社員の翻訳家の場合はその企業内でビジネスに関する翻訳がほとんどです。

映画翻訳家の年収

映画翻訳家の平均年収:480万円~600万円(※月1本のペースで洋画の字幕翻訳を行う)
人気映画翻訳家の年収:1600万円~2500万円

日本では年間に約300~340本ほどの洋画が映画館で公開されていますが、日本では洋画はほとんどが字幕になっています。
それに対してアメリカ・ドイツ・フランス・スペインなどの映画館では、海外の映画を上映する場合は一般的に吹き替えが普通です。

映画翻訳家は日本では字幕翻訳家とか吹替翻訳家とも呼ばれていて、主に外国映画の字幕翻訳を行ったり時には字幕翻訳家で有名な戸田奈津子さんのように、海外の映画スターが来日した際に通訳を行うこともあります。
気になる映画翻訳家の推定年収ですが洋画の字幕翻訳は、だいたい映画1本につき40~50万円が相場のようです。
つまり月にもし1本のペースで洋画の字幕翻訳を行えば、年間に480~600万円が映画翻訳家の推定年収になります。

戸田奈津子さんは映画「ゴッドファーザー」で知られているフランシス・フォード・コッポラ監督が来日した際に通訳を担当し、それがきっかけでアカデミー賞8部門を受賞した「地獄の黙示録」の字幕翻訳を行っています。
この作品のおかげで戸田奈津子さんは字幕翻訳家として有名になり、その後は年に40~50本の映画の字幕翻訳の仕事があると言いますから、推定年収も1600~2500万円という計算になります。

実は映画翻訳家は他の翻訳家とは大きく異なり、映画の観客が字幕を読むスピードに合わせて翻訳をしなければいけません。
観客が字幕を読むスピードは3文字で約0.6秒なので、これに合わせて翻訳を行いますがさらに縦書きの字幕の場合は
10文字で、横書きの字幕の場合は2行で26文字と決められているので大変です。
さらに映画の字幕は書籍とは違ってもう1度読み直すことができないので、難しい漢字や句読点や読点は基本的に使えません。
日本の映画翻訳家の人数は映画翻訳家協会に所属している20人しかいないとも言われていて、それも英語の翻訳だけでなく中国語や韓国語やイタリア語やスペイン語などの映画翻訳家がいるというから驚きです。

小説翻訳家の年収

小説翻訳家の平均年収:480万円~(※12万文字×40円)
人気小説翻訳家の年収:数千万円~

翻訳家と一口に言っても契約書などの翻訳を行うビジネス翻訳と、映画翻訳家と呼ばれる洋画の外国語を字幕にする翻訳とでは翻訳の手法も難度も異なります。
小説翻訳家は文字どうり海外の小説を、日本語に翻訳するプロフェッショナルです。

英語やフランス語やロシア語ができれば何でも翻訳ができるのではなく、例えば医薬品や工業関連の翻訳依頼があれば、医薬品やその分野に関する単語や知識がなければ仕事になりません。同じように小説翻訳家の場合は自分で小説を書いたことがなくても、日本語の表現力が豊かでないと務まりません。
どんな言語であってもその言語特有の言い回しや表現が存在していて、全く違う2つの言語を同じニュアンスで表現することは容易なことではありません。まして小説は普通のドキュメントとは異なり、その作者の独特の表現で書かれています。仮に両親が違う国籍で国際結婚したカップルの子供で2つの言語の読み書きができるバイリンガルだとしても、文学のセンスがなければ小説の翻訳などできるはずがありません。

それだけ大変な職業ですが小説翻訳家の推定年収はそれこそピンキリで、ハリー・ポッターシリーズの第1巻から最終第7巻を日本語に翻訳した小説翻訳家の松岡佑子さんはその後、2006年に東京国税局から3年間の申告漏れを指摘されています が驚くのはその金額で、なんと約35億円です。

また2011年に筋梗塞のために62歳の若さで亡くなった山岡 洋一さんが生前に、小説の翻訳が本当にできる人は日本に10人くらいしかいないのかもしれないと言っています。
10人は大げさかもしれませんが、それぐらい少ないと言えます。
松岡佑子さんや山岡 洋一さんクラスの小説翻訳家の推定年収は数千万円ですが、仮に出版社から小説の翻訳の依頼があっても実績がなければ、1文字での契約になり経験を積むごとに文字単価が上がってきます。
それまでは他にアルバイトでもしなければ、生活できほどの収入しかないのが現実です。

翻訳家の生涯推定年収は?

翻訳家の生涯売上総額は、ピンからキリまでですが、順調に仕事を受注している平均的な実務翻訳家の場合、1年に400~800万円程度の収入があります。
定年はありません。実際に、75歳過ぎて600万円の仕事をしている翻訳家もいますので、働ける年数は多いでしょう。
800万円平均で50年間働いたとして、生涯売上総額は4億円になります。
フリーランスは、チャンスもあれば沈むときもあります。本人の力量次第では、大きく収入を伸ばすこともできます。

翻訳家の年齢別年収予想推移と給与ボーナス予想推移

各年齢を5歳刻みで年齢による年収や月額給与・ボーナスを厚労省の統計と照らし合わせてみたところ
最大年収を迎える50代の年収が792万円となりました。
また翻訳家で働き盛りの30代の年収はおよそ587.4万円あたりと推測されます。
それでは全体の年齢別年収推移をみてみましょう。

年齢 年収 月額給与
20~24歳 376万円 24万円
25~29歳 419万円~469万円 29万円
30~34歳 415万円~515万円 32万円
35~39歳 483万円~587万円 37万円
40~44歳 539万円~660万円 41万円
45~49歳 617万円~739万円 46万円
50~54歳 682万円~792万円 50万円
55~59歳 675万円~785万円 49万円
60~65歳 435万円~785万円 33万円

平均年収と国税庁の年齢別階層年収との比率で独自で算出した結果になっております。
※ボーナスは夏冬合わせた4か月分で算出してます。
※年俸制は対応していないため年収を12で割った数値が予測数値となります。

翻訳家の都道府県別(東京大阪名古屋福岡等)平均年収

年収は地域により変動します。翻訳家の平均年収を各都道府県の平均年収と照らし合わせた地域別の年収を算出しました。 上から北海道下は沖縄県までとなっています。ご覧ください。

都道府県 平均年収
北海道 594万円
青森 528万円
岩手 594万円
宮城 660万円
秋田 528万円
山形 594万円
福島 594万円
茨城 660万円
栃木 660万円
群馬 660万円
埼玉 594万円
千葉 660万円
東京 924万円
神奈川 726万円
新潟 594万円
富山 594万円
石川 660万円
福井 660万円
山梨 594万円
長野 660万円
岐阜 594万円
静岡 660万円
愛知 726万円
三重 660万円
滋賀 660万円
京都 660万円
大阪 792万円
兵庫 660万円
奈良 660万円
和歌山 594万円
鳥取 594万円
島根 594万円
岡山 660万円
広島 660万円
山口 660万円
徳島 660万円
香川 594万円
愛媛 594万円
高知 594万円
福岡 660万円
佐賀 528万円
長崎 594万円
熊本 594万円
大分 594万円
宮崎 528万円
鹿児島 594万円
沖縄 528万円

比較してみると、一番年収が高い東京都の翻訳家の年収が、およそ924万円。
一番低い沖縄県の年収が528万円 となり0万円の年収差ができています。

英語、中国語、韓国語翻訳だと年収は変わるの?

翻訳家のほとんどがフリーランスで、1文字での契約になっています。
映画翻訳家の戸田奈津子さんやハリー・ポッターシリーズの翻訳をした松岡佑子さんや、小説翻訳家の山岡 洋一さんクラスになれば作品でいくらという契約になりますが、普通は1文字での契約です。

その場合に英語の翻訳家は今の時代には星の数いるので、当然のことですが1文字での単価は安くなります。
英語の翻訳家に比べると、中国語や韓国語の翻訳家の方が少ないので、翻訳の1文字の単価は高くなります。
ただ英語の翻訳の方が中国語や韓国語の翻訳よりも需要があるので、もしコンスタントに仕事の依頼があれば英語の翻訳家のほうが年収は上です。
つまり翻訳する言語の単価よりもどれだけその言語に需要があり、その翻訳家のスキルや仕事が評価されかで年収は変ってきます。
ただポピュラーな英語よりも少数言語の翻訳家のほうが少ないので、本当に実力があると評価されれば年収アップは英語よりも可能性があります。
英語の翻訳で年収アップを図るのであれば、よほどスキルや実力がないと難しいでしょう。

翻訳家の年収1000万円になる方法

6,000万円程度を稼いでいるハイパフォーマーの場合は、取引先の企業、担当者が数多くの案件を持っているということが条件となります。
また、翻訳できる言語によっても差が出ます。ロシア語などは単価も高く案件数も、仕事の質も高いので、稼ぐことができるそうです。
1,000万円の大台を越えるプレイヤーは、幅広い専門領域を持っていることが重要だそうです。IT、政治、文学、特許、法律など専門的な翻訳が可能な領域が広くないと、なかなか大台を越える仕事量は回ってこないようです。

翻訳家になるには?(資格)

翻訳家になるためには、英語ならば最低でもTOEC900点以上の語学力が必要だといわれています。
大学や大学院で各国語を専門にし、大学、大学院への留学経験あるという程度です。
翻訳家を目指す人のなかには、その国に長く生活していた人もたくさんいます。

語学的な技術だけでは翻訳家として身を立てることは困難です。
さらに必要なのが、専門分野の知識です。実務翻訳の場合は、語学力の高い元技術者や営業職が、その分野の翻訳を手がけている場合もあります。

業界や業種、技術の流れに敏感で、翻訳する文書の内容を理解し、分かりやすく正確に伝える能力が必要になります。

翻訳家になるには、他のフリーランス同様に仕事をとってくる必要があります。
出版社や、一般企業などに自分の翻訳能力を売り込んで、仕事を受注しなければなりません。
多くの翻訳家が、翻訳家の名刺を作成し、個人事業主として登録し、営業活動をするところから、その世界に入っていきます。

翻訳家になるための学校

大学の外国語学部
東京外語大のように、多種多様な言語を扱っている大学で、その言語を専門的に学んできた人が多くいらっしゃいます。
英語やフランス語、中国語などメジャー言語の場合は、翻訳家の数も多く価格の低下も生じていますので、あえてマイナーな言語を選択するという戦略もあります。
現地大学院修了程度の語学力を身につければ、継続的に仕事を受けることができるでしょう。

専門学校
翻訳家コースをかかげる専門学校や通信教育もあります。
本人の資質と努力次第でしょうが、何もないところから他力本願での学習では、ほとんど役に立たないと思われます。
また、学校の選択も重要です。仕事の紹介実績や講師のネットワークの広さなどを参考にして、終了後にちゃんと仕事につながる学校を選ぶ必要があります。

翻訳家になるための勉強方法

翻訳家を目指して語学の学習をするというよりは、大学院などで語学研究をしていた人が翻訳家になるパターンが多いようです。
語学に自身がない方は、TOEC受験の勉強方法を中心に行いながら、専門文書や論文、ビジネス文書などの翻訳に慣れることが重要です。
誰かにチェックしてもらう環境があれば、独学でも可能です。
インターネット上に、各国言語の文書がたくさんある時代ですので、独学の材料には事欠かないかと思われます。
また、仕事にするためには、スピードも求められますので、翻訳家として仕事を始めている人でも、プレスリリースや特許文書をはじめ、海外のドキュメンタリー映像の翻訳などを、毎日、時間を決めて訓練し続けているそうです。

翻訳家の口コミ年収

30代 特許事務所勤務の翻訳スタッフ(契約)

年収380万円
一日に、5,000ワード程度の特許文書の翻訳をしています。
英文和訳、和文英訳が半々くらいの割合です。作業は多くありませんし、慣れてくればフォーマットがあるので仕事のスピードも速くなります。さまざまな分野の技術的な用語、表現を習得できるので、スキルも上がります。

60代 ロシア語、英語 実務翻訳

年収780万円 商社に長く勤務してから、翻訳業に転じました。ロシア駐在が長かったので、基本的な表現やビジネス文書の作成は得意です。英語もやっていますが、ロシア語のほうが収入になっています。仕事は、官公庁からのものが多く報酬も良心的です。英語については値崩れが激しいですね。

語学系の平均年収一覧

語学系の平均年収一覧をまとめてみました。

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